2005 Fiscal Year Annual Research Report
内殻励起を利用する自由クラスターの物性解析法の開発
Project/Area Number |
16201021
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
八尾 誠 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70182293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永谷 清信 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30273436)
大政 義典 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30301229)
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Keywords | クラスター / 多元合金クラスター / 電気伝導特性 / オージェ電子分光 |
Research Abstract |
平成17年度に製作した大型クラスター作製装置の性能評価を行うために、希ガス混合クラスターの作成を行った。製作した装置は超音速ジェットのクラスター源を備え、大型のターボ分子ポンプを使用することで、クラスター生成が困難なヘリウムでも原子数が数万程度からなるクラスターの作成が可能である。京都大学において、ヘリウム・クラスターの生成のための性能テストとして、クラスター源が液体ヘリウム温度4K付近まで冷却可能であることを確認した。ヘリウム・クラスターは多成分クラスターを作成するための種クラスターに用いる。クラスター源の温度から、原子数数万個程度のヘリウムクラスターが作成可能であると考えられる。生成したクラスタービームに、アルゴンやクリプトンなどの希ガスビーム交差させ、ピックアップを行った。生成したクラスターのサイズ分布を飛行時間型質量分析器を用いて測定した。クラスタービーム中のサイズ分布に関するデータは基礎データとなるので、様々な生成条件下で詳細な測定を行っている。 X線照射に伴い放出されるオージェ電子のエネルギー分析を行うためのCMA(cylindrical mirror analyze)を購入し、現有の装置に取り付けるための改造を行った。これを用いてクラスター形成に伴う電子状態の変化を明らかにする。今回購入したCMAは、パルス計測可能な装置であるため、オージェ電子エネルギーを選別し、生成イオンとの同期を取ることで、多価イオンの電荷を制御した実験を行い、クラスターの電気伝導特性の詳細な測定が可能となる。さらに、クラスター電気伝導特性測定のための計測装置として、飛行時間型質量分析器に、2次元検出器を多重同期計測法を組み合わせた測定装置を設計・製作し、クリプトンクラスターを試料としで性能評価を行った。
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Research Products
(5 results)