2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ結晶を介したエネルギー移動現象の解明と新奇光機能性発現に関する研究
Project/Area Number |
16201022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
林 真至 神戸大学, 工学部, 教授 (50107348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 稔 神戸大学, 工学部, 助教授 (00273798)
柳 久雄 神戸大学, 工学部, 助手 (00220179)
森脇 和幸 神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (50322194)
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Keywords | エネルギー移動 / ナノ結晶 / プラズモン |
Research Abstract |
我々はこれまでに、ナノ結晶を介したさまざまなエネルギー移動現象を見出し、ナノ結晶のエネルギー供給体、エネルギー伝達体としての機能を実証してきた。本研究は、既に見出しているエネルギー移動現象をさらに広く深く追求し、エネルギー移動現象の基礎的特性を明らかにするとともに、ナノ結晶の持つ新奇光機能性として定着させ、ナノサイエンスからナノテクノロジーへの展開を計ることを目的とする。ナノ結晶系として半導体ナノ結晶のみならず、表面プラズモン励起を伴う金属ナノ結晶も研究対象とし、エネルギー受容体としては希土類イオンをはじめとする各種イオン、無機分子、有機分子をも研究対象とする。本年度はまず、様々な系(組合せ)におけるエネルギー移動現象の基本的理解を目的に研究を行った。第一に、Siナノ結晶をエネルギードナー、酸素分子をエネルギーアクセプターとする系のエネルギー授受メカニズムの解明を目的として研究を行った。その結果、エネルギー移動がSiナノ結晶の励起子と酸素分子のelectron exchangeにより行われていることを明らかにした。また、エネルギー移動が室温の溶液中でも可能であり、Siナノ結晶が室温において酸素分子の励起(一重項酸素生成)の光増感剤として機能することを示した。次に、Siナノ結晶とErをドープしたSiO_2薄膜において、Siナノ結晶からErへのエネルギー移動メカニズムについて研究を行った。その結果、エネルギー移動には2つの過程があり、それぞれの比率がSiナノ結晶のサイズ、密度、Er濃度に依存して変化することが明らかになった。さらに、種々の有機分子の組み合わせ(ドナー分子・アクセプター分子ペア)に関して、金属の表面プラズモンによるエネルギー移動レートの増強に関する研究を行い、表面プラズモン励起に伴う増強された近接場により、エネルギー移動レートが増強されることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)