2006 Fiscal Year Annual Research Report
1分子蛍光観察用の究極感度カメラ開発による細胞膜ナノドメインの機能の解明
Project/Area Number |
16201025
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
楠見 明弘 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50169992)
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Keywords | 1分子観察 / 1分子ナノバイオロジー / ナノドメイン / 細胞膜 / 蛍光顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)まず、生細胞中で、1蛍光分子追跡をするための、究極感度のカメラシステムを開発すること、(2)次に、このカメラシステムを用いて、ナノラフトの生成機構、及び、構造一機能相関の解明を進めることである。細胞膜のナノラフトの研究は、ナノバイオロジーの重要なパラダイムであり、他のナノバイオロジー研究を進める上での指針を与える重要な結果を得ることを目標とする。究極感度のカメラシステムを用いることによって、ナノラフトの研究を推進し、ナノラフトのシグナル伝達プラットフォームとしての作動機構を1分子レベルで解明したい。本年度は、ラフトが細胞膜おけるシグナル変換にどのように関わるかについて、集中的に検討した。 (1)細胞外からシグナルが来る前の細胞膜では、ラフトはあったとしても非常に小さく、不安定であることが、さまざまな1分子追跡法で、多くのラブト関連分子の運動を追跡することによって、明らかになった。 (2)グリコシルボスファチジルイノシトールアンカー型受容体(GPI-ARs)へのシグナル入力とそれがどのように細胞内に伝達されるかを調べた。リガンド結合によって、GPI-ARsは会合し、それが、会合部分へのコレステロールと糖脂質の濃縮とを誘起して、その部分に、会合体と同じ程度の大きさのやや安定なナノラフトが形成されることがわかった。さらに、このGPI-ARクラスターナノラフトに細胞内のラフト関連シグナル分子、GαiやSrc-family-kinase分子がリクルートされ、そこでこれらの分子が結合することによって、Src-family-kinaseが活性化されることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)