2004 Fiscal Year Annual Research Report
金属原子内包シリコンクラスターの原子数制御合成に基づく界面ナノ構造形成
Project/Area Number |
16201026
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
金山 敏彦 独立行政法人産業技術総合研究所, 次世代半導体研究センター, 副研究センター長 (70356799)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 哲也 独立行政法人産業技術総合研究所, 次世代半導体研究センター, 主任研究員 (40188248)
宮崎 剛英 独立行政法人産業技術総合研究所, 計算科学研究部門, 主任研究員 (10212242)
日浦 英文 日本電気株式会社, 基礎・環境研究所, 主任研究員
|
Keywords | 遷移金属内包シリコンクラスター / イオントラップ / 電荷移動型ドーピング / カーボンナノチューブトランジスタ / 反転層形成 / 走査トンネル顕微鏡 / 第一原理計算 |
Research Abstract |
本年度は次の研究を進め、カーボンナノチューブ(CNT)やSiの表面へ特定組成のクラスターを付着させることで、電荷移動型ドーピングを行えることを実証した。 1.クラスター供給能力の増強:クラスターイオン源として用いているイオントラップ内のイオンの運動をシミュレーションした結果に基づき、電極構造をこれまでの4重極から、円筒電極を正方格子状に配列した多重極に変更した。これにより、例えば水素化Siクラスターの供給能力を10倍に向上させた。 2.CNTおよびSiへの電荷移動型ドーピング:CNTトランジスタおよびSiの表面へ、TaF_6やC_<60>F_<36>などのクラスターを付着させることで、クラスターへの電子移動を生じさせ、伝導度変調や反転層形成が行えることを実証した。これによってCNTトランジスタの閾値電圧制御やSi表面への極限的な浅接合形成が可能になった。また、誘起キャリア密度の測定結果と理論モデルとの対比検討により、クラスターの電子状態と誘起キャリア量の関係を定量的に解析し、電荷移動型ドーピングに必要な条件を明らかにした。 3.遷移金属内包Siクラスターの理論的解析:第一原理計算により、遷移金属原子とそれを取り囲むSi原子との間の共有結合の強さにより、クラスターの構造安定性と電子状態が決まっていることを明らかにした。 さらに、Si表面上に遷移金属内包Siクラスターを単位構造とする表面ナノ構造を形成するために、Si(111)7×7表面上にMoなどの遷移金属原子を低被覆率で付着させ、走査型トンネル顕微鏡で構造を解析した。室温でもMo原子の表面拡散が生じ、特定のサイトに選択吸着する結果を得た。今後、遷移金属原子吸着表面とシラン分子あるいはSi原子との反応や遷移金属SiクラスターとSi表面との反応により、非平衡組成表面構造の形成と電子状態の制御を試みる。
|
Research Products
(2 results)