2004 Fiscal Year Annual Research Report
地殻変動モニタと地震情報を連成させた列島確率モデルの構築
Project/Area Number |
16201038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀 宗朗 東京大学, 地震研究所, 教授 (00219205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小国 健二 東京大学, 地震研究所, 助教授 (20323652)
加藤 照之 東京大学, 地震研究所, 教授 (80134633)
纐纈 一起 東京大学, 地震研究所, 教授 (90134634)
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Keywords | GPS / 地震データ / 逆解析 / 破壊解析 / 数値計算 / 不確定性 / 地震 / 地殻変動 |
Research Abstract |
GPSデータと地震観測データを利用し,3次元地殻状態を推定する解析手法の基礎を検討した.検討は以下の方法で行われた.簡略化されたものではあるが,2次元半無限体を地殻モデルとして構築し,境界条件として与えられた変位に伴って内部の断層が破壊する様子を計算し,模擬的に地表面での変位データと地震波データを発生させる.このデータを利用して,モデル内の断層の位置と破壊の様子を再現するとともに,モデル内部での応力の分布の推定を試みる. モデル内で断層が破壊する様子を計算するためには,粒子離散化という新しい離散化公式を用いた有限要素法を適用している.粒子離散化は,互いに重なり合わない特性関数の和によって関数を表現するものであり,離散化された関数は至るところ不連続とな.この離散化関数は,変位の不連続性を扱う破壊現象の数値解析には適していると考えられる.二次元問題ではあるが,粒子離散化手法を組み込んだ破壊解析用の有限要素法を開発している. 模擬的に地表面での変位データと地震波データを使って,断層の位置と破壊を再現することは難しい.簡略化された二次元モデルでありながら,モデル内の断層の位置を同定するにも,高い精度と高い空間分解能が要求される.このようなデータがない場合,計測データの誤差やデータ計測点が少ないことに対応して,同定される断層の位置には不確定性が伴うことになる.さらに破壊過程の様子を再現するためには,断層面のずれ変位の時系列と同時に,断層面の形状(長さと角度)も必要である.位置に不確定性が伴う場合,形状と破壊過程を正確に推定することはきわめて難しい.形状や破壊過程のパラメータにも,位置の不確定性に併せた不確定性が加わることになるからである.データの質や量の限界に起因する断層の位置や形状と破壊過程の不確定性に対し,確率理論を用いた厳密な数理的表現と解析手法を考案中である.
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Research Products
(6 results)