2005 Fiscal Year Annual Research Report
天然神経毒の全合成を基盤とした新規興奮性アミノ酸類の化学設計
Project/Area Number |
16201045
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
大船 泰史 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20142078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
品田 哲郎 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30271513)
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Keywords | 天然神経毒 / テトロドトキシン / 5,6,11-トリデオキシTTX / グルタミン酸アンタゴニスト / カイトセファリン / 篭状オルソ酸 / 四角酸 / 生理活性ペプチド |
Research Abstract |
天然神経毒の構造に内在する極性官能基は内因性リガンドの活性配座(水素供与基と水素受容基)に対応して配置されている場合が多い。本年度は、天然興神経毒の全合成と、その極性官能基の空間配置に着目した構造単純化分子の合成を目標におき、次の研究成果を得たので報告する。 1.リジッドな骨格に作用点を固定した天然神経毒物の全合成:テトロドトキシン(TTX)類の全合成研究:TTX全合成の前段階と位置づけられる5,6,11-トリデオキシTTXの全合成が完成した。合成の最終段階でシアンヒドリン中間体から天然物の高次構造を一挙に構築することを特徴とし、本合成によりTTXの生合成を探るためのラベル体合成も視野にいれることが可能になった。 2.イオンチャンネル型グルタミン酸受容体アンタゴニスト、カイトセファリンの効率的合成法の開発:16年度に達成した全合成のプロセスをも見直し、アラニンとプロリン部位を一挙に構築するルートを探索し、その目途をたてた。 3.TTXの構造単純化、テトラヘドラル酸(かご状オルソ酸)含有アミノ酸類の合成:テトラヘドラル構造をもつ篭状オルソ酸を安定に取り出す試みとして、橋頭位に隣接した炭素上に電子吸引性基をもつカゴ状オルソ酸の合成を試みた。α位に水酸基、アセチル基をもつ化合物が合成できたが、ラクトン体を安定に与えることがわかった。 4.四角酸をカルボン酸等価体とした4角酸含有グルタミン酸、CCG,DCG-IVの開発:本年度は、微量ペプチドの構造解析への展開として、ピコモル量のペプチドに対するN-末端アミノ基及び側鎖アミノ基へのスクアリル基導入を試みた。緩衝溶媒や反応時間などを精査し、反応条件を確立できた。マストパラン、ブラジキニンをはじめとする生理活性ペプチドのN-末端アミノ基及び側鎖アミノ基が選択的にスクアリル化されることをMSで確認した。
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Research Products
(11 results)