2005 Fiscal Year Annual Research Report
新たな東地中海地域像の構築-民族・宗派対立と人間移動
Project/Area Number |
16201049
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
黒木 英充 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (20195580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 正人 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (90242073)
臼杵 陽 日本女子大学, 文学部, 教授 (40203525)
栗田 禎子 千葉大学, 文学部, 教授 (10225261)
佐藤 幸男 富山大学, 人間発達科学部, 教授 (00162496)
佐原 徹哉 明治大学, 政治経済学部, 助教授 (70254125)
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Keywords | 地中海 / 民族問題 / 宗教・宗派問題 / 安全保障 / 近現代史 / 国際政治 / イスラム / 中東 |
Research Abstract |
2年度目に当たる平成17年度は、東地中海地域の人間移動を特徴づける歴史的背景を分析し、民族・宗派対立問題をキプロスに集中して考察した。具体的には、1)4月23日にフランス国立科学研究院研究員のF.ヒッツェル氏を招聘し、AA研客員研究員A.ベンハッダ氏、AA研共同研究員・松井真子氏とにより、地中海におけるオスマン帝国を中心とした国際的交流形態を分析する国際ワークショップを開催した。また2)7月19日にはキプロスの分断から統合へ向けた動きを多角的に検討する研究会を研究分担者・間寧氏、佐藤幸男氏、ならびにAA研共同研究員・村田奈々子氏とで開催した。その延長線上で3)2月13日に国連大学研究員Y.レヴェンティス氏を招聘してキプロスの国際関係と安全保障をめぐる集中的な研究会を開催した。これらにより、オスマン帝国時代の宗教・宗派的共存体制とその分極化による破綻状況、そしてその修復をめざしつつも利害を調整しきれない諸外国の国際政治の状況が明らかになった。 一方で、4月3日-12日に黒木がレバノンにおいて、8月21日-9月4日に間がトルコにおいて現地調査に従事して、それぞれの地域における現在の国民国家の内部対立状況を考察した。 こうした研究活動と並行して、「オスマン歴史地理大事典」のデータベース化を進めるとともに、19世紀のオスマン帝国領を対象とした古地図の修復とデジタル化を開始し、歴史的地理情報を文字と画像の双方からデータ化して利用可能にする体制を構築しつつある。
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Research Products
(19 results)