2006 Fiscal Year Annual Research Report
美術に即した文化的・国家的自己同一性の追求・形成の研究-東南アジアから全アジアへ
Project/Area Number |
16202003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 裕充 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (50126017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽田 正 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (40183090)
桝屋 友子 東京大学, 東洋文化研究所, 助教授 (40300735)
秋山 光文 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (60130861)
浅井 和春 青山学院大学, 文学部, 教授 (60132700)
後小路 雅弘 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 教授 (50359931)
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Keywords | アジア / 美術 / 国家 / 文化 / 自己同一性 / 近代化 / ヨーロッパ化 / 植民地化 |
Research Abstract |
平成18年度は、設備備品については、16年度に一括購入した「西洋人アジア旅行記」に引き続いて、「西洋人アジア伝道旅行記」231点、マイクロフィッシュにして1、585枚を加え、ヨーロッパの世俗・宗教両面から伝統アジアを捉える旅行記の大コレクションを基本研究資料として購入することができた。前者は既に17年度に公開済み、後者も18年度に公開済みであるので、特に記す。 絵画の場合は、昨年11月から12月まで、東アジア・東南アジア所在中国絵画調査を実施した。調査撮影対象は、台湾:石允文コレクションなど3個所、シンガポール:呉起駒コレクションなど2個所、香港:香港中文大学文物館・香港藝術館、計7個所であり、調査作品点数無慮7百点に上る。 彫刻は、16年度から3年度にわたって継続してきた東京国立博物館収集東南アジア仏教彫刻スライド資料2万点の資料整理のうち、基本カードのほぼ2割を作成し終え、これまでのものと併せて都合4割ほどを済ませることができた。また、東博資料のデータの不備を解消し、画像資料をさらに充実させるべく、9月にタイ調査を実施した。調査撮影対象は、バンコク国立博物館など、約10個所、ディジタル画像資料1万6千点、作品数約2千5百点を追加した。 なお、予定していた東南アジアの工芸(陶磁)、美術学校の両調査は、本研究を承ける基盤研究(S)(課題番号:19102001)の「研究計画調書」で述べたとおり、原資を絵画・彫刻・建築に集中するため、行わないこととした。また、予定していたシンガポール美術館やマレーシア国立美術館、ヴェトナム美術館、マニラ国立博物館などの包括的調査も、同様に、行わず、研究分担者の後小路雅弘が永年続けている東南アジア近代美術調査の成果を踏まえることとした。東南アジア建築に関わる現地調査については、上記基盤研究(S)の初年度となる19年度以降に繰り延べて実施する。
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Research Products
(18 results)