2006 Fiscal Year Annual Research Report
近現代欧米における連邦制的地域統合に関する比較社会構造史的研究
Project/Area Number |
16202018
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Research Institution | TOHOKU University |
Principal Investigator |
佐藤 勝則 東北大学, 大学院文学研究科, 教授 (40106737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 誠一 東北大学, 大学院国際文化研究科, 教授 (50001813)
小島 健 立正大学, 経済学部, 教授 (00211897)
山崎 彰 山形大学, 人文学部, 教授 (30191258)
小原 豊志 東北大学, 大学院国際文化研究科, 助教授 (10243619)
三瓶 弘喜 熊本大学, 文学部, 助教授 (60284717)
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Keywords | 連邦制的地域統合 / 垂直財政調整 / 水平財政調整 / 目的連合 / 信仰共同体 / 地域通貨 / 地域的資金循環 / 市民社会的公共性 |
Research Abstract |
平成18年度は、研究メンバーの一人、小島健が単著『欧州建設とベルギー-統合の社会経済史的研究-』日本経済評論社を刊行した。研究メンバー全員の共同研究財産となった。また、平成19年度の出版助成金取得による共同研究成果の刊行(『比較連邦制史の研究』)のための準備作業として、研究成果報告書をとりまとめた。同時に、この3年間(平成16年度-18年度)の共同研究を通して達成しえた研究成果を確認すべく研究参加者全員に対して、以下の発問を行った。(1)共同研究テーマ上の新知見、(2)個別研究上の新知見。そして共同研究成果刊行のために必要な論文集の章節構成を確認する作業を行った。メール会議の形態で、これらの点につき、検討に付した。 ここでは、(1)共同研究テーマ(連邦制的地域統合)上の新知見として挙げられた諸点を確認しておきたい。 1.連邦制的地域統合の前提となるのは、基礎自治体である信仰共同体への定住性の確保とそれを保証する独立した自営農民、手工業者、小商人を基本要素とする市民的共同性の成立にあること。 (欧米とロシアとの比較) 2.社会的流動性を前提としたアメリカ社会においても、地域共同体の存続を保証するための法的枠組み、資金循環的枠組みそして空間的な枠組みの形成が、コミュニティ、州レヴェルにおいて模索されていること。 (アメリカとドイツ、ベルギー、オーストリアとの比較) 3.市民的な共同性の確保を前提とした、連邦制的地域統合のためには、「上から」の公共性の形成(垂直的な財政調整)ではなく、「下から」の公共性の形成(水平的な財政調整と「目的連合」)が決定的な意味を有すること。 なお、3年度にわたる基盤研究の成果として、各人の到達水準を示す研究成果報告書をとりまとめた。この成果の上に、今後科学研究費研究成果刊行助成金(平成20年度)を申請したい。
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Research Products
(7 results)