2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16202021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | National Research Institute Cultural Properties, Nara |
Principal Investigator |
金子 裕之 独立行政法人文化財研究所, 奈良文化財研究所・飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 部長 (10000499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高瀬 要一 独立行政法人文化財研究所, 奈良文化財研究所・文化遺産研究部, 遺跡研究室長 (00090374)
内田 和伸 独立行政法人文化財研究所, 奈良文化財研究所・飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 主任研究官 (30249974)
市 大樹 独立行政法人文化財研究所, 奈良文化財研究所・飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 研究員 (00343004)
箱崎 和久 独立行政法人文化財研究所, 奈良文化財研究所・飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 研究員 (10280611)
多田 伊織 白鳳女子短期大学, 国際人間学科, 助教授 (30310783)
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Keywords | 苑地制 / 苑と池宮 / 上林苑 / 禁苑 / 文選 / 衛星写真 |
Research Abstract |
秦漢を起源とする古代都城の苑地とそのシステムが日本へ伝わる道筋は、8世紀を境に大きく異なる。8世紀以前は秦漢が拠った関中盆地から直接ではなく、南に逃れた亡命政権である南朝の建康(南京)が拠点となり、朝鮮半島の百済を経由して飛鳥期(7世紀代)日本に伝来した。他方、8世紀以降は南北朝を統一し、再び関中盆地に拠った唐から直接に伝来する。それ故、考察は8世紀以前と以後に分けて行う必要がある。このうち後者の唐の苑地は、漢の苑地をモデルとする説が有力である。 このため、平成16年度は、後世に大きな影響を及ぼした漢代苑地、すなわち、広大な上林苑や、漢長安城にあった太液池などについての資料収集等を行い、図上に復原するための作業を以下に示す通り行った。 ・地形判読用の衛星写真を購入した。 ・漢代の庭園に関する学術論文(王其享・何捷「前漢上林苑の苑中苑」『建築師』1996,72巻)の邦訳をした。 ・『文選』等に見える古代の苑地(上林苑)について、その文学的表現と実態について検討した。 ・中国古代苑地について、現地調査を実施した。 ・古代都城の苑地の計画設計思想を探るため、比較対象として宮殿の朝庭、特に大極殿院を取り上げ、その設計思想について考察した。その結果、苑地も宮殿中枢部の庭(大極殿前庭)も共に、宇宙を象るものである可能性がでてきた。 ・〔小右記〕〔小記目録〕〔中右記〕等、日本古代の庭園に関する基本的文献史料を抄録する作業をおこなった。 ・上記の作業に平行して、新羅の苑地に関する文献史料、発掘遺構関連の資料を収集した。
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Research Products
(6 results)