2006 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアとその周辺地域における伝統的地理思考の近代地理学の導入による変容過程
Project/Area Number |
16202023
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
千田 稔 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (20079403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土居 浩 ものつくり大学, 技能工芸学部, 講師 (20337687)
渡邊 欣雄 首都大学東京, 都市教養学部, 教授 (90103209)
秋山 元秀 滋賀大学, 教育学部, 教授 (00027559)
澁谷 鎮明 中部大学, 国際関係学部, 教授 (60252748)
金 ドウ哲 岡山大学, 大学院環境学研究科, 助教授 (10281974)
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Keywords | 東アジア / 地理学 / 東南アジア / 民俗学 / 伝統的地理学 / 国家計画 / 地理学研究者 / 近代化 |
Research Abstract |
*H18年度研究会 1.No,8「近代における民俗文化の発見-男鹿のナマハゲ」 「ニュージーランドにおける高等学校社会科学-カリキュラムにおける日本に関する項目内容」 2.第3回国際シンポジウム「東南アジアにおける地理学の近代化」 3.第4回国際シンポジウム「東アジアとその周辺地域における地理学の将来像」 今年度は、上記3回(そのうち2回は国際シンポジウム)の研究会をもった。 第1回は、近代において民俗文化が「発見」される経緯についての報告と、ニュージーランドから来日中の地理学研究者から、ニュージーランドの地理教育の事情についての報告とをもとに討議した。前者は、日常的に継がれてきた文化が、学問という体系の中に組み込まれていくことによって、特異な近代化の枠組みの中に取り込まれることが指摘された。後者は、国の指定したカリキュラムにとらわれない地理教育の評価について議論した。 第2回は、ベトナム、ラオス、マレーシアから招聘した地理学の研究者と日本の研究者が、東南アジアの大学での地理学の研究事情について報告した。 第3回は、科学研究費による3年間の研究を総括するために、中国、韓国、タイの研究者を招聘し、アジアにおける地理学の役割について意見を交換した。中国においては、国家計画と地理学の関係が密接であることが報告された。韓国では、経済成長とともに地理学の研究対象に変化がみられたこと、またコミュニティーの再生の必要が提起された。タイにおいては、地理学研究者が近年増加しつつあり、研究環境が充実しつつあることが報告された。また、東アジアとその周辺地域における伝統的地理学が近代化の中で人々に果たす役割についても目を注ぐことの意味が論じられた。 このように、東アジアとその周辺の国々おける地理学のおかれている位置は異なるが、今後、地理学研究者が交流して、東アジアの地理学の問題に取りくむことの必要性が確認された。
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Research Products
(11 results)