2004 Fiscal Year Annual Research Report
来住アフリカ人の相互扶助と日本人との共生に関する都市人類学的研究
Project/Area Number |
16202024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
和崎 春日 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (40230940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 素二 京都大学, 文学研究科, 教授 (50173852)
嶋田 義仁 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (20170954)
鈴木 裕之 国士舘大学, 法学部, 教授 (20276447)
佐々木 重洋 名古屋大学, 文学研究科, 助教授 (00293275)
三島 禎子 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 助手 (20280604)
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Keywords | 都市社会 / マルチ・エスニック / 来住外国人 / 滞日外国人 / アフリカ人 / 相互扶助 / 共生 / 移民 |
Research Abstract |
本年度は、本プロジェクトの初年度であり、まず、研究会を開催して、共同研究の主旨を徹底させつつ、個別ケースの掘り下げにとりかかった。その嚆矢をなして、今までに「滞日アフリカ人の生活実態」に関する論文を既に発表している若林チヒロから、テーマとなる諸項目の整理と問題設定がなされた。そこから、各地の地域実態調査を展開した。 (1)名古屋・大須調査 名古屋では、基礎調査をおこない、下町地区といえる大須に、アフリカ人が多数衣類店などで働いている実態がつかめた。次年度は最繁華街の栄地区との比較調査と、名古屋で最も多いウガンダ人の生活動態に迫る必要性が確認できた。 (2)東京・六本木調査 六本木におけるバー、ディスコ、クラブ等の夜の人口動態の基礎調査をおこない、そこでのアフリカ人就業形態をめぐる調査をおこなった。これを歌舞伎町でのアフリカ人就業動態と比較すると、六本木の歓楽街労働に従事するアフリカ人では、ナイジェリア人が中心になりつつある、という実態をつかむことができた。歌舞伎町調査を次年度深めなくてはならない課題が明確に確認できた。 (3)アフリカ母村・出身地調査 東京、埼玉、名古屋、大阪、京都の各都市における来住アフリカ人との面接調査をおこなった。その基礎調査から、それら各都市に滞在している、タンザニア人、セネガル人、カメルーン人の母村を訪ねて、アフリカからの人口プッシュの要因と、日本の習慣とは異なる、アフリカの価値意識のあり方を決する習慣や信仰について初期調査をおこならた。この研究の進展は、タンザニア、カメルーン、セネガルを専門とする、須田征志、後藤澄子、神谷良法、盛弘仁の各氏を派遣することによって、可能となった。また特に、タンザニアでは、上田富士子が来住アフリカ人の母村モシを訪ね聞き取り調査をおこない、セネガル人、ギニア人の日本やアジア各国へのディアスポラとしての移動・展開については、三島禎子が追跡調査をおこなった。さらに、来日ギニア人ミュージシャンの母村を訪ねてその音楽文化や民族文化全般に関する調査を、鈴木裕之がおこなった。次年度は東京、名古屋に加えて、関西地区での調査を深める。
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Research Products
(22 results)