2005 Fiscal Year Annual Research Report
来住アフリカ人の相互扶助と日本人との共生に関する都市人類学的研究
Project/Area Number |
16202024
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
和崎 春日 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (40230940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 素二 京都大学, 文学研究科, 教授 (50173852)
鈴木 裕之 国士舘大学, 法学部, 教授 (20276447)
田中 重好 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (50155131)
田渕 六郎 名古屋大学, 環境学研究科, 助教授 (20285076)
三島 禎子 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 助教授 (20280604)
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Keywords | 都市社会 / マルチ・エスニック / 来住アフリカ人 / 滞日外国人 / アフリカ人 / 相互扶助 / 共生 / 移民 |
Research Abstract |
本年は、3年計画の2年目にあたり研究会を開催すると同時に、3大大都市圏の来住アフリカ人調査を発展させた。 (1)名古屋調査。名古屋では、大須地域でアメリカ衣料店を開いている来住アフリカ人の生活動態を調査し、キリスト教会のミサに参加するガーナ人とナイジェリア人の共同行動を析出した。さらに、中村区にあるイスラーム寺院・モスクで参与観察を行い、アフリカン・イスラームの宗教実践の様態や生活実態が明らかになってきた。 (2)東京・六本木、歌舞伎町、埼玉北越谷、在日カメルーン人会調査。六本木では、セネガル人がナイジェリア人の次にプレゼンスをもち、ムーリッド、ティジャニ派、ライエン信仰という3集団に分かれてモスク集会を開く実態が明らかになった。歌舞伎町では、ガーナ人の就労実態が判り始め、南部アカン人だけでなく、北部のイスラームのハウサ人も来住していることが明らかになった。カメルーン人の相互協力では、在日カメルーン人協会の集会を調査し、マジョリティのフランス語圏とマイノリティの英語圏のカメルーン人が協力しあっている様態が確認できた。来住ナイジェリア人については、埼玉の大袋にあるナイジェリア人経営レストランが情報交換の場となり、アフリカ料理を求める諸国から来たアフリカ人たちが多く出入りしていることが明白となった。 (3)関西調査。大阪・アメリカ村においてアフリカ人が多く就労している事実が初期調査でつかめた。今後この調査をより深めて行かねばならない。 (4)アフリカ母村・出身地調査。来住アフリカ人とアフリカ諸国との往来の様相が明らかになってきた。カメルーンに一時帰国したバミレケ人をその専門家である野元美佐氏が追跡調査した。ナイジェリア人の母国帰国では、来日イボ人研究を専門とする川田薫氏をナイジェリア・イボの地に派遣し追跡調査を行った。分担者・若林チヒロ氏が歌舞伎町でのガーナ人動態に関連させて、ガーナ母村での調査を行った。分担者・松田素二氏は、京都でのケニア人学生の生活調査から、ケニアでの日本へのプッシュ要因について調査を行った。日本に於けるギニア人の芸能活動では、芸能の習得をめざす日本人とギニア人芸能者の日本-ギニア間の往来を、この地域の出身者・ウスビ・サコ氏を派遣して調査した。
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Research Products
(17 results)