2006 Fiscal Year Annual Research Report
来住アフリカ人の相互扶助と日本人との共生に関する都市人類学的研究
Project/Area Number |
16202024
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
和崎 春日 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (40230940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 冨士子 京都文教大学, 人間学部, 教授 (70213361)
三島 禎子 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 助教授 (20280604)
鈴木 裕之 国士舘大学, 法学部, 教授 (20276447)
若林 チヒロ 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (40315718)
松本 尚之 東北大学, 文学研究科, 専門研究員 (80361054)
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Keywords | 都市社会 / エスニシテイ / アフリカ人 / 来住外国人 / 相互扶助 / 生活戦略 / 共生 / 移民 |
Research Abstract |
共同研究の最終年度にあたるので、まず、日本都市におけるアフリカ人の生活・協力状況の調査・研究を基本的に充実させて、総合化した。こうして、来住アフリカ人の日本における貧窮や困難とそれを乗り越える何らかの生活方策を、かれらのライフ・ヒストリーの収集・分析から、総合的に考察した。これには、日本に於けるアフリカ人たちのHIV関係の防衛策・対処のし方の考察も含んでいる。さらに、日本の政策施行者としての行政が、多民族の生活協同をにらんでいかなる対応策を造りえているかいなか、を分析・考察した。こうした、日本国内の来住アフリカ人の生活状況や集会をはじめとした協力関係の結び方の考察に加えて、アフリカとのネットワーク形成の過程やそのあり方を特に調査・研究した。そのことは、日本に滞在するカメルーン人の母村の家族を追跡調査する形でより具体的に研究を深めえた。同時に、日本に滞在したアフリカ人が日本人女性と結婚したあかつきに、ともに故国に帰って生活している動態の追跡調査も、ガーナを例にとり、行った。こうした越境する移動の動態を、逆にアフリカ側からディアスポラとして出ていき世界に拡散する活動的なアフリカ人の動きとして、ソニンケ商人を例に深く考察分析した。その要因分析として、アフリカ都市における国内に行き場所のない若者文化の動態を、アビジャン・ユースカルチュアを例に分析し、日本やヨーロッパへの越境欲求が潜在的に蓄積されている都市文化の深層を描きだした。こうして、われわれの共同研究を、日本-アフリカ間の双方向の分析軸で総合的に捉えようとした。さらに、その際、日本-アフリカの中継地や第3の地とのネットワークも重要な情報・商業拠点による生活工夫であり、この実体を西欧、アメリカ、アジアで調査し、日本内外でのアフリカ人の全体としての生活戦略を明らかにした。
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Research Products
(7 results)