2005 Fiscal Year Annual Research Report
IT革命の中における「市場支配的企業と法」の総合的研究
Project/Area Number |
16203004
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
正田 彬 慶應義塾大学, 産業研究所, 名誉教授 (10051137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟田 正之 立教大学, 法学部, 教授 (60062676)
江口 公典 慶應義塾大学, 大学院・法務研究科, 教授 (50135927)
土田 和博 早稲田大学, 法学部, 教授 (60163820)
山部 俊文 一橋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (50183984)
石岡 克俊 慶應義塾大学, 産業研究所, 助教授 (80296772)
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Keywords | 独占禁止法 / 市場支配的地位 / 市場支配力 / 濫用 / 電力 / 通信 / 競争の実質的制限 / 競争の阻害 |
Research Abstract |
1.実証的研究 市場支配的地位にある企業についての外国を含む実証的研究については,研究組織構成員の共同討議にもとづいた実態調査によって行う。企業関係者や規制行政庁の方などへのヒアリング等の調査を行った。 2.理論的研究 実証的研究とあわせて理論的研究を行った。これは,研究分担者あるいは多の専門家からの研究報告をもとに,メンバー間で共同討議を行った。 3.比較法的研究 本年度は,ドイツを主たる調査対象国とし,メンバーによる海外調査を行った。 以上の研究から、市場支配的地位にある企業に対する規制は、独占禁止法と個別の事業法による規制が、どの国でも存在し、それぞれ意義があることが確認された。両者による規制は、従来よく見られた、独禁法の適用除外規定などの、相互排他的な関係ではなく、原則的に二重規制にならざるをえないが、規制行政庁間の実際上の協力体制、例えば、電気通信や電力における共同ガイドラインや、いわゆるオール電化等に関する営業についての関西電力株式会社に対する警告(平成17年4月21日)において採られたような、同一事件についての公取と経産省による連絡・分担処理)が取られることが多い。しかし、次第に、例えば、NTT東西の加入者回線網の接続料認可に対する取消訴訟(東京地裁平成17年4月22日判決)など、行政庁の処分等に対する取消訴訟や、北海道瓦斯工事費用負担損害賠償請求事件(札幌地判平成16年7月29日)など、私人間の訴訟も増えてきており、ここでは上述の協力体制は無意味であることもあり、前述の行政レベルのみならず、法的なルールを形成し実効的に施行することがますます重要になってきている。これらの研究の実績は,今の段階では,メンバー各自の研究以外に,共同研究として公表されたものはないが,研究代表者・研究分担者を中心として,この夏までに研究成果をまとめ,秋から順次,雑誌に連載の形式で公表する予定である。
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Research Products
(6 results)