2005 Fiscal Year Annual Research Report
近代のイングランドの近隣英語圏における啓蒙思想と経済学形成の相互関連の研究
Project/Area Number |
16203013
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 秀夫 京都大学, 経済学研究科, 教授 (40148599)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大倉 正雄 拓殖大学, 政経学部, 教授 (10152092)
天羽 康夫 高知大学, 人文学部, 教授 (90067869)
生越 利昭 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (30094527)
篠原 久 関西学院大学, 経済学部, 教授 (00098302)
後藤 浩子 法政大学, 経済学部, 助教授 (40328901)
|
Keywords | 啓蒙 / 経済学 / アダム・スミス / ウィリアム・ペティ / ヒューム / ロック / アイルランド / スコットランド啓蒙 |
Research Abstract |
研究2年目を迎え、研究代表者と分担研究者は連携を一層密にしつつ研究会を行い、それぞれに分担研究を進めた。まず第1回研究会を7月23日に京都大学経済学研究科で行なった。後藤浩子「18世紀アイルランドにおける啓蒙と経済学について」、渡辺恵一「啓蒙と経済学:アダム・スミスに関する研究ノート」という2報告を行い、それをめぐって討論をした。第2回研究会を同研究科で11月5日に行い、研究補助者、太子堂正称「ハイエクにおける啓蒙と経済学」、篠原久「啓蒙とスコットランド啓蒙思想とドゥーガルド・ステュアート」の2報告を行い、それを元に議論を深めた。また11月12日から13日にかけての社会思想史学会においては、セッション「啓蒙と共和主義」を研究代表者と分担研究者中澤信彦等で行なった。第3回研究会として、12月7日には研究メンバーを中心に公開で「ポーコック教授を囲む会」の講演とセミナーを行なった。啓蒙研究『野蛮と宗教』と題する大著を刊行中のジョンズ・ホプキンズ大学のポーコック教授と研究交流が持てたことは有益であった。さらに第4回の研究会として、12月16日にはケンブリッジ大学のホント講師を招いて、セミナーを行なった。ホント氏は『貿易の嫉妬』と題した16-18世紀経済思想史の研究書を刊行したばかりであり、書物そのものも我々の共同研究にとって無視できない研究であるが、セミナーも研究会メンバーにとっては刺激的でタイムリーな企画となった。本年度最後の研究会となる第5回の研究会は2月17日に行なった。研究補助者、門亜樹子「ロック救貧法案をめぐる統治と人間」、研究分担者壽里竜「ヒュームの文明の「振り子理論」」という2報告を行い、討論を行なった。このように、今年度は比較的多くの研究会を行い、外国人研究者からも刺激を得たし、後藤浩子と伊藤誠一郎はアイルランドとイングランドに調査研究に出張した。分担研究者はそれぞれの分担研究に取り組んだ。研究代表者は研究会を組織し、分担研究者と緊密な連絡を取りつつ、研究の進捗に努めた。その結果、アイルランド、スコットランド、イングランドの差異が次第に明確化してきたと思われる。2年間の研究の成果は、すでに一部は発表されているが、来年度に本格的な形で公表される予定である。
|
Research Products
(7 results)