2005 Fiscal Year Annual Research Report
エジプト社会経済関係基礎データの蓄積と学際的分析-世帯調査とGISの接合を中心に
Project/Area Number |
16203018
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
加藤 博 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10134636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 宏 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50211280)
後藤 寛 弘前大学, 人文学部, 助教授 (40333710)
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Keywords | エジプト / 世帯調査 / GIS / 人口移動 / 貧困 |
Research Abstract |
平成17年度は、平成16年度に実施した上、下エジプト農村での世帯調査に関する補足調査(建物の建設年と親族名に関する調査など)を実施するとともに、新たに上エジプトで3村落、オアシス地方で5村落、下エジプト地方で5村落、世帯調査を行った。調査は、村ごとに、それぞれ600世帯を対象とした。調査村落は、(1)一万人を越えることのない中規模の人口であること、(2)それぞれの地方の地域的特色を反映した典型的な村落であること、を基準に選考した。 また、この世帯調査と並んで、調査データに基づく空間分析が可能となるように、村ごとにブロック、家屋ごとの詳細な地図を、現地の測量技師との提携によって、作成しつつある。平成17年度中に3村落について村落地図のアウトラインを終え、現在、デジタル化作業を進めている。平成18年度にそれが完成したならば、統計データと地理情報を接合した、これまでにないエジプト農村社会研究の準備が整う。 日程の概略は、以下のとおりである。(1)調査質問票の作成(2005年4月から6月まで):オアシス地方はナイル峡谷と異なる物質生活と精神文化が展開しているために、それに応じた調査質問票の修正、首都カイロとは遠く離れているがゆえの、フィールド調査上の配慮を必要とした。(2)調査地でのプレテストの実施(2005年7月)。(3)サンプリング調査と調査員のトレーニング(2005年8月)。(4)世帯調査の実施(2005年9、10月)。(5)データ入力とデータ分析(2005年11月から2006年3月)。 以上の研究成果は現在、鋭意、整理・分析中であるが、その作業の過程で、われわれの研究目的である、従来の等質的でスタティックなエジプト社会像に代わる、多様な地域の偏差を含むダイナミックなエジプト社会像の確認が実現されつつある。
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Research Products
(10 results)