2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16203022
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
洞口 治夫 法政大学, イノベーション・マネジメント研究科, 教授 (20209258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳沼 寿 法政大学, 経営学部, 教授 (80210227)
松島 茂 法政大学, 経営学部, 教授 (00339508)
金 容度 法政大学, 経営学部, 助教授 (70350212)
近能 善範 法政大学, 経営学部, 助教授 (10345275)
天野 倫文 法政大学, 経営学部, 助教授 (40339205)
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Keywords | クラスター / 産学連携 / イノベーション / ベンチャービジネス / レーザー加工 / ものづくり / 産業集積 / 産業用ロボット |
Research Abstract |
2005年度の研究プロジェクトでは、知識集約型産業クラスターが政策誘導によって形成されうるのか、という疑問を日本国内の実態調査および国際比較によって探求した。2005年度までの二年間の調査活動の中間報告をまとめ、「ものづくりクラスターの特殊性と普遍性」という論文を共同で作成している。 2005年度9月には、ドイツ、フランス、イタリアの現地調査を行った。ドイツでは、ベルリン、ウォルフスブルク、インゴルシュタット、ミュンスターを訪問し、フォルクスワーゲン、アウディといった自動車メーカーの研究開発担当者にインタビューを行った。フランスではソフィア・アンティポリス、イタリアではミラノを訪問し、日立、アイシン精機など企業と大学の研究開発について調査した。 日本国内では、2005年10月から翌年1月にかけて、札幌、仙台、けいはんな、神戸における「知的クラスター創成事業」の拠点を訪問し、大学、企業、オーガナイザーの三者へのインタビュー調査を行った。また、2006年3月には、ドイツの自動車会社を中心とする研究開発機関INPROと共同で、名古屋・つくば・神奈川を調査した。トヨタ、デンソー、三菱電機、ヤマザキマザック、産業技術総合研究所、日産車体を訪問し、レーザー溶接、ロボット導入、機械加工の自動化についての調査を行った。 フィールド調査による学習を通じて、いくつかの研究課題を発見することができた。その候補の一つは、「ものづくりクラスター」の生成に関する条件を論ずる視点である。組織機能統合志向と組織機能分散志向、内発的発展と政府主導型発展、という類別を掲げると、四通りの「クラスター」を製造業に関わらしめて分類することができる。名古屋から豊田市に至る地域を特徴づけるのは、その発展過程の内発性と、製造活動の統合性である。この地域を「ものづくりクラスター」と仮に呼ぶことにしたい。今後、この概念のもとに、他の地域との差異を明確にしていくことが課題である。 参加メンバーは、企業間分業、国際分業、共同研究開発、クラスターの不均衡分析など、独自の論文作成を続けており、その中間報告会を、2006年1月5日から6日にかけて、川崎市民プラザにおいて行った。クラスター研究を軸として、さらに発展した問題意識についての意見交換を行った。イノベーションの創出とクラスターとの関係が、共通した問題意識として浮かび上がった。
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Research Products
(12 results)