2004 Fiscal Year Annual Research Report
胎児期からの母子コミュニケーションの発達と支援にかんする縦断研究
Project/Area Number |
16203034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
竹下 秀子 滋賀県立大学, 人間文化学部, 助教授 (90179630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
明和 政子 滋賀県立大学, 人間文化学部, 講師 (00372839)
松嶋 秀明 滋賀県立大学, 人間文化学部, 講師 (00363961)
五十嵐 稔子 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (50347473)
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Keywords | 胎児 / 新生児 / 妊娠 / 発達支援 / 子育て支援 / 指吸い / 超音波画像診断装置 |
Research Abstract |
本研究においては、現代の地域社会における健やかな子育ちを願い、科学的な発達理解を踏まえた支援の方法論を探求する。今年度は、3年間の縦断研究の初年度として、研究の拠点となる「子育ち応援ラボうみかぜ」を開設し、下記に着手した。 1)胎児期および新生児期についての心理学的な研究 まず、妊娠中期以降の女性に協力を得て胎児の行動を4次元超音波画像診断装置で観察した。その結果、妊娠20週ころには、自分の手を口唇部に頻繁に運ぶことが確認された。さらに、25週を過ぎるあたりには、自分の手指をうまく口の中にいれる場面も見られた。手をでたらめに動かしているうちに偶然口の中に入ってしまった、というよりも、かなりスムーズな軌跡を描いて運ぶ「指吸い」だった。「指吸い」のとき、胎児は自分の手が口唇部に接触する少し前から大きく口を開けはじめることが多かった。いったん指吸いが始まると、口から手指が離れてしまっても、何度もこれを繰り返すことが多くあった。31週のある胎児は、指吸いを連続して6回も行なった。また、胎児の表情に注目してみると、とくに口唇部多様に変化させていることがわかった。今後観察事例を増やし、マイクロアナリシスによって、胎児の自己の身体探索運動の発達の詳細を明らかにする予定である。新生児期については、発達検査項目によって全般的な状況を把握するとともに、母子インタラクションの特性を探るための実験(あくびの伝播や自他画像の遅延フィールドバックへの反応をみるもの)においてデータを集積中である。 2)妊娠中を含む子育て期女性の生活状況と意識実態の調査研究 妊娠中の女性が出産やその後の子育てにどのような期待や不安をもっているかを調査するため、助産師が中心になって、身体や心のさまざまな関心事を語り合う場を設定した。妊娠中の女性同士が互いに知り合うことのない生活実態とこれにかかわる問題を把握した。
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Research Products
(6 results)