2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16203037
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
苧阪 直行 京都大学, 文学研究科, 教授 (20113136)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 秀直 京都大学, 医学研究科, 教授 (90181297)
蘆田 宏 京都大学, 文学研究科, 助教授 (20293847)
十河 宏行 京都大学, 産業技術総合研究所, (非常勤)研究員 (90359795)
苧阪 満里子 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (70144300)
|
Keywords | ワーキングメモリ / 中央実行系 / 前部帯状回 / RST |
Research Abstract |
本年度の研究で、前部帯状回(ACC)が注意の制御と情報の更新に重要な役割を果たしていることが明らかになった。特に高齢者(65歳以上のボランティア被験者)では、RST(reading span test)課題でACCからDLPFCへのネットワークの機能的結関係が弱くなることが分かった。これは領域間のネットワークの協調機能を相互相関係数で比較した結果にもとづくものである。個人差も大きいがそれを超えて明確な傾向が認められた。ACCがDLPFCに対し情報更新の制御を行う実行系としての作用をあわせもつことが実験的に確認できた。高齢者は大学生とくらべてこのACCとDLPFCのネットワークが弱体化しているが、これが「もの忘れ」や「行為のし忘れ」の原因となっている可能性が高いことが推定される。さらに、高齢者はこのネットワークの弱体化を補うため、右半球の注意とかかわる脳領域を、大学生よりも有効に使っている可能性があることも推定された。この脳の補償機能をさらに訓練によって高めることも可能と思われるため、さらに検討を続けている。 以上の結果から、高齢者は、ワーキングメモリ機能の「保持」は大学生とそれほど差が認められないが、注意制御にもとづく「処理」の機能に固有の劣化の傾向が認められると推定された。 次年度には高齢者のワーキングメモリを改善する方策を、さらにfMRI及び行動実験を通して検討していくとともに、高齢者向けのトレーニング方略も提案したいと考えている。
|
Research Products
(11 results)
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Involvement of V5/MT+ in object substitution masking : evidence from repetitive transcranial magnetic stimulation.2005
Author(s)
Hirose, N., Kihara, K, Tsubomi, H., Mima, T., Ueki, Y., Fukuyama, H.
-
Journal Title
Neuro Report 16
Pages: 491-494
-
-
-
-
-