2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16203038
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
渡辺 茂 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (30051907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡市 広成 同志社大学, 文学部, 教授 (40066288)
坂田 省吾 広島大学, 総合科学部, 教授 (50153888)
三村 將 昭和大学, 医学部, 助教授 (00190728)
梅田 聡 慶應義塾大学, 文学部, 助教授 (90317272)
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Keywords | 海馬 / 空間認知 / 時間認知 / ラット / 脳損傷 |
Research Abstract |
キンカチョウで海馬損傷と内外套損傷のパターン弁別におよぼす効果を検討し、後者による選択的な障害を見た。これまでの研究と合わせると損傷部位と課題による分離がみられたことになる。ラットの記憶実験においてNMDA受容体拮抗薬およびムスカリン受容体拮抗薬の投与がホーミング行動に及ぼす効果を明らかにし、海馬采-脳弓損傷がホーミング行動に及ぼす障害効果と比較検討することを試みた。その結果、MK-801投与は海馬損傷と同様に経路統合機能の障害が生じたが、スコポラミン投与では障害は生じなかった。また、ラット海馬0波はピーク法を用いた時間弁別学習においても,その時間変動と同期したパワーの増大が観察され、また音弁別学習においてもヒトP3成分と同様のものがラットで観察された。さらに輪回しでも、85%体重に制限摂食をした時の輪回し数の増加と海馬0波パワーの増大を観察した。ヒトの実験では、時間認知に関する脳基盤をより直接的に検討するため、光トポグラフィを用いた実験を行い、作動記憶領域の比較的短い時間に限定し、若年健常群、高齢健常群、アルツハイマー病群を対象に検討した。高齢健常群では、時間推測条件を施行中、右前頭前野腹側〜背側領域、正中領域、左前頭前野背側領域を中心に、52チャンネルのうち25チャンネルで有意なOxy-Hbの上昇を認めた。これに対し、アルツハイマー病群では、健常高齢群に比べて、全般に時間推測条件におけるoxy-Hbの上昇が乏しく、右前頭葉外側および前頭極のチャンネルで賦活が不良であった。またfMRIを用いた脳機能画像研究も継続して行った.その結果,海馬は空間情報に情動的な要素が含まれているほど,より海馬後部において強い賦活を示すこと,またこの種の処理においては顕著な左右差が認められないことなどが明らかになった.
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Research Products
(12 results)