2004 Fiscal Year Annual Research Report
古典的数論幾何学の枠組みを超えて-ゼータ・数論的トポロジー・圏論的数論幾何
Project/Area Number |
16204002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松本 眞 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70231602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 新一 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (10243106)
玉川 安騎男 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (00243105)
木村 俊一 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10284150)
都築 暢夫 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10253048)
吉野 正史 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00145658)
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Keywords | ガロア論 / 数論的基本論 / モジュライ空間 / 圏論的数論幾何 / モチーフ |
Research Abstract |
研究代表者は、デューク大学数学科リチャード・ヘイン教授と共同研究を継続し、モジュライ空間の数論的基本群の、曲線の基本群への作用について次のような結果を得た。「ガロア群の曲線Cのユニポーテント基本群への作用の像が最大(=モジュライ空間の基本群の作用の像と一致)する必要十分条件は、曲線のヤコビアン上の代数的サイクルC-C^-のガロアコホモロジー類が消滅しないことである。」この結果はJournal of Math.Inst.Jussieuに掲載予定となった。研究代表者は研究分担者玉川、望月と数理解析研究所においてセミナーを行い研究交流を続けている。玉川は標数正の曲線の基本群を研究し、幾何的基本群から曲線を有限個にしぼれることを示し、種数0ならばそれが一個にできることを示した(Journal of Algebraic Geometryに掲載)。望月は、エタール基本群から元の対象を再構成するという遠アーベル幾何の発想を推し進め,Yves Andreのtempered被覆のカテゴリーからの再構成など、カテゴリーからもとの代数的対象を再構成する方法を確立しつつある。これを用いて、スキーム論を含む幾何学の再構築を進めている。この圏論的数論幾何の手法と、数学基礎論的枠組みを複数入れ子にするInter Universal Geometryを用いて、従来不可能とされていた整数環のスキームの変形理論やABC予想の解決に向けて多くのプレプリントを執筆している。うち一つはPublication of RIMSに掲載された。これらは、共同セミナーによる研究交流の成果である。木村はモチーフの次元の有限性の研究を行い、Kimura finitenessと呼ばれる表現論的な有限次元性の定義をし、Bloch予想がモチーフの木村有限性から従うことを示して大きな反響を得た。この結果は、Math.Ann.に掲載された。 2004年11月にはパリ第7大学よりCarlo Mazza氏を招き5日間に渡って広島大学代数幾何シンポジウムを開催、2月にはパリ高等師範大学よりYves Andre氏を招き小ワークショップを開催し、数論的トポロジーならびにモチーフについての研究討論をした。
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Research Products
(6 results)