2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16204003
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 幸夫 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (20011637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足利 正 東北学院大学, 工学部, 教授 (90125203)
今吉 洋一 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (30091656)
佐伯 修 九州大学, 大学院数理学研究院, 教授 (30201510)
鎌田 聖一 広島大学, 大学院理学研究科, 教授 (60254380)
遠藤 久顕 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (20323777)
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Keywords | 4次元多様体 / 符号数 / レフシェツ・ファイバー空間 / リーマン面 |
Research Abstract |
前年度に引き続き,4次元多様体のもつ種々の幾何構造を手がかりとしてそのトポロジーを探るという方法で研究を進めた.とくにファイバー構造をもつ4次元多様体が重要である.ホロモルフィックなファイバー構造とレフシェツ型のファイバー構造の関係を決定することは残念ながら未解決に終わったが,その間の種々の関係が明らかになった.特に,研究分担者の遠藤は種数2の場合のChakirisのホロモルフィック・ファイバー構造の分類に関する仕事を一般化し,高い種数をもつレフシェツ・ファイバー空間の対で互いに同相であるが微分同相でないようなものの例を構成した.同氏によるレフシェツ・ファイバー空間の符号数と写像群の関係子の研究も進展した.符号数との関連で,分担者の足利はホロモルフィック・ファイバー空間を安定巡元して得られたレフシェツ・ファイバー空間の符号数の計算を行ったが,その際,松本・モンテシノス理論を援用してデデキント和に関する新たな初等整数論的な公式を得た.松本・モンテシノス理論は分担者の今吉によって関数論的立場から見直され,有限型のリーマン面に適用可能な形に一般化された.分担者の佐伯は微分可能写像の特異点の観点から,レフシェツ・ファイバー空間とは別のファイバー構造について詳細な構造論を展開した.代表者の松本は分担者の岩瀬とともに3次元のデーン手術の類似を4次元多様体上で展開する研究を行った.これらは研究成果の一部の例であるが,このほかにも分担者による多くの成果があった.代数幾何やシンプレクティック幾何と交錯する結果も数多く得られた.ファイバー描造をもつ4次元多様体は様々な分野に関連する豊かな研究対象であることが改めて明らかになった.
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Research Products
(7 results)