2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16204017
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中野 貴志 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (80212091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
與曽井 優 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (80183995)
堀田 智明 大阪大学, 核物理研究センター, 助手 (30332745)
村松 憲仁 大阪大学, 核物理研究センター, 特任助手 (40397766)
保坂 淳 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (10259872)
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Keywords | シータ粒子 / ペンタクォーク / レーザー電子光ビーム / タイムプロジェクションチェンバー |
Research Abstract |
シータ(Θ^+)粒子は、SPring-8のレーザー電子光ビームを原子核に照射した実験で、その存在の可能性が示された5クォーク粒子(ペンタクォーク)である。SPring-8での観測に引き続き、アメリカ、ロシア、ドイツの研究所からも発見を追認する結果が発表されたが、近年の実験では否定的な報告も相次ぎ、その存在の確認及び、存在する場合は構造を解明することが、実験核物理学の緊急の課題となっている。本研究の目的は、直線偏光レーザー電子光ビームを用いたシータ粒子光生成反応で、生成に関与したベクターK^*$中間子の偏極方向と偏光方向の相関を見ることにより、シータ粒子生成の反応機構を解明し、シータ粒子の構造について新たな知見を得ることである。直線偏光ビームを用い、偏光方向とベクターK^*$中間子の偏極方向の角度相関をみることにより、t-channelで交換されたストレンジ中間子のパリティを知ることができる。本年度は、TPCの開発を続けると共に液体重水素標的を用いた過去の実験でシータ粒子の存在を示すシグナルが見えている2つの反応過程の再実験を行った。実験は順調に進んでおり前回の実験の5倍の統計精度でシグナルの在否を確認できる。この高統計実験の後、TPCを用いた実験を平成19年度に行う。
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