Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾嶋 正治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30280928)
溝川 貴司 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教授 (90251397)
岡根 哲夫 日本原子力研究所, 放射光科学研究センター, 副主任研究員 (10391278)
寺井 恒太 日本原子力研究所, 放射光科学研究センター, 博士研究員 (00373241)
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Research Abstract |
レーザーMBEによって作製したNd_<1-x>Sr_xMnO_3,Pr_<1-x>Ca_xMnO_3薄膜試料の軟X線光電子分光を行い,ホールドーピングによる電子構造の系統的な変化を観測した.同じ物質のバルク試料と比較し,スペクトル形状および化学ポテンシャルシフトの振る舞いが異なることを見出した.この差を基板からの圧力の影響と考え,解析を進めている. 基板圧力の電子状態に及ぼす影響をさらに系統的に調べるために,La_<0.6>Sr_<0.4>MnO_3(LSMO)について,SrTiO_3(+0.9%),(LaAlO_3)_<0.3>-(SrAl_<0.5>Ta_<0.5>O_3)_<0.7>(〜0%),LaAlO_3(-2.0%)等の格子定数のそれぞれ異なる基板を用いた試料を作製し(括弧内はと基板とのミスマッチ),in-situ光電子分光を行った.エピタキシャル応力により誘起された金属-絶縁体転移前後における電子状態の変化を明確に観測し,電子状態における軌道秩序の影響を議論した. また,エンド組成では強磁性を示さないが混合すると強磁性を示すCaMn_<1-x>Ru_xO_3の薄膜試料をレーザーMBEを用いて作製し,光電子分光および磁気円二色性実験により磁性発現機構を調べた.その結果,RuとMnのスピン磁気モーメントが互いに反並行に並んでいることを明らかにし,RuとMnの軌道混成が強磁性発現に重要であることを見出した.今後これらの結果を同様の物質系に適用し,新規強磁性材料の開発および探索に用いて行く. レーザーMBEによって作製したルチル型Ti_<1-x>Co_xO_2薄膜の光電子分光測定を行い,ドープされたCoは2+で高スピンの電子配置をとること,Coスピンとの交換相互作用による伝導帯の交換分裂の大きさがCoドープによるケミカルポテンシャルシフトと矛盾しないことの2点を示した.光照射下の光電子分光測定により,薄膜表面での光起電力効果も見出した.
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