2006 Fiscal Year Annual Research Report
古気候変動・地球軌道要素変動に起因する古地磁気変動の研究
Project/Area Number |
16204034
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山崎 俊嗣 独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 研究グループ長 (80344125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金松 敏也 海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (90344283)
小田 啓邦 独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 主任研究員 (90356725)
横山 由紀子 岡山理科大学, 総合情報学部, 准教授 (40351879)
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Keywords | 古地磁気 / 岩石磁気 / 古地磁気強度 / 地球軌道要素 / 海底堆積物 / インド洋 / 酸素同位体比 / 太平洋 |
Research Abstract |
「みらい」MR05-03航海で赤道インド洋から採取された3本の堆積物コアの古地磁気・岩石磁気測定を行い、過去約80万年間の古地磁気強度、伏角の変動記録を得た。西部赤道太平洋で観測されている、負の大きな伏角異常及び古地磁気強度と伏角の間の相関関係がインド洋では見られないことを確認した。これは、Yamazaki and Oda (2002)の「双極子磁場成分の大きさが約10万年の周期的変動をする一方、停滞性非双極子磁場成分は変動しない」とするモデルと調和的である。 「かいれい」KR05-15航海で、西部赤道太平洋の西カロリン海盆から採取された4本の堆積物コアの古地磁気・岩石磁気測定を行った。うち1本のコアについては、酸素同位体比で年代を決定した。4本のコア間で、相対古地磁気強度変動は極めてよい相関が得られた。磁化率の変動は、炭酸カルシウム補償深度(CCD)に近い水深から採取されたコアでは酸素同位体比曲線と良く似ているのに対し、CCDよりかなり浅い場所のコアでは、日射量変動曲線(北緯65度、夏至)に類似していることが判明した。つまり、前者では離心率周期(約10万年)が卓越するのに対し、後者では歳差・地軸の傾きの周期が卓越する。このように、堆積物の磁気的特性は水深により異なっているにもかかわらず、相対古地磁気強度変動は極めてよく一致することから、堆積物の磁気的特性変化が相対古地磁気強度推定に与える影響は小さいと考えられる。 古地磁気強度及び伏角データのウエーブレット変換を用いた時系列解析から、地球軌道離心率の微分と古地磁気鉛直成分の変動の間に相関が強いことが明らかになった。このことから、離心率の変動が地磁気ダイナモに影響しているという見通しを得た。
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Research Products
(4 results)