2005 Fiscal Year Annual Research Report
広エネルギー帯多成分宇宙プラズマの計測手法確立と相互作用解明を目指す発展的研究
Project/Area Number |
16204037
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
平原 聖文 立教大学, 理学部, 助教授 (50242102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳町 朋樹 立教大学, 理学部, 助教授 (70200540)
海老原 祐輔 情報・システム研究機構・国立極地研究所, 助手 (80342616)
高島 健 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助手 (10298193)
浅村 和史 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助手 (50321568)
関 華奈子 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (20345854)
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Keywords | 宇宙プラズマ・粒子 / 磁気圏 / 直接観測 / エネルギー・質量分析 / 多成分プラズマ / 相互作用 / 総合観測器 / 広エネルギー帯域計測 |
Research Abstract |
中間エネルギーイオン分析器を構成する静電分析部の製作・試験と、質量分析部の設計を行った。静電分析部試験として、イオンビームを入射させ、その検出特性と設計時の数値シミュレーションとの比較、装置内部の黒色塗装による紫外線除去性能の確認、等を行い、テストモデルが設計通りの粒子計測性能を持つ事、紫外線除去の性能が十分である事、が判った。質量分析部については、計算機シミュレーション等によって極板形状・位置の最適化設計を行った。 イオンビームラインの設計構築を行い、イオン源、イオン質量分析部、ビームエクスパンダーを設計・製作・組上を行った。 極域電離圏・磁気圏結合による内部磁気圏イオンの運動論的シミュレーションを実行し、磁気嵐時に特徴的な対流電場、粒子、沿磁力線電流の分布を算出し、観測とよく一致することを示した。特に内部磁気圏に蓄積されたイオンが作る沿磁力線電流の効果が極域電離圏に対して極めて顕著であることが分かった。統計的観測結果による電離圏イオンの宇宙空間への流出モデルと、イオンの3次元軌道追跡シミュレーションを開発し、位相空間写像法を用い、水素・酸素イオンに代表される電離圏イオンの最終輸送到達地でのイオン量を5次元の位相空間の関数で求め、流出したイオンの約半数はリングカレント域に流入すること、磁気圏磁場が双極子型に近いほど、再び地球へ戻るイオンの量が増えることなどを明らかにした。これらは、極域電離圏を起源とするイオンの磁気圏への供給問題や、固有磁場を持つ地球型惑星の大気の進化を考える上で重要である。 磁気圏界面付近の多衛星データの解析により、高緯度における磁気再結合および、低緯度境界層における流体不安定による磁気圏へのプラズマ輸送の効果を調べた。また、低高度衛星と赤道面衛星の高エネルギー粒子データを用いて、内部磁気圏での中から高エネルギー帯の粒子フラックスについて比較を行った。
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Research Products
(3 results)