2005 Fiscal Year Annual Research Report
古生代末2段階大量絶滅の研究:G-L境界とP-T境界事件
Project/Area Number |
16204040
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
磯崎 行雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90144914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 基之 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10167645)
川幡 穂高 東京大学, 海洋研究所, 教授 (20356851)
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Keywords | 大量絶滅 / 古生代 / ペルム紀 / 炭素同位体比 / 海山 / 寒冷化 / 共生 |
Research Abstract |
古生代末、G-L境界およびP-T境界での2段階絶滅事件を記録している宮崎県高千穂町での地質調査を2回行った。その時に採取した試料および前年度までに中国から採取してきた様々な岩石試料の微小領域化学分析を行った。またつくば市の産業技術総合研究所と協力して、同様の連続試料について炭素同位体比の詳細測定を行った。この分析用の粉末試料作成のために臨時職員を雇用した。その結果、南中国および日本から採集した連続岩石試料から極めて重要な結果が得られた。とくに最初の大量絶滅(G-L境界)事件の直前に、当時の海洋生物の基礎生産が増大し、結果としてグローバルな寒冷化をひきおこしたことを示す炭素同位体比シグナルを見い出したことは世界で初めてであった。さらに古生代二枚貝としては最大のサイズ(殻長50cm以上)を持つAlatoconchidaeを高千穂町において新たに発見し、当時の特異な環境条件および光合成藻類との共生関係を示す証拠を得た。これらの研究成果の一部を、アメリカ・カナダ地質学会(カナダ、カルガリー市、8月)、アメリカ地球物理学連合(米国サンフランシスコ市、12月)、トリアス系国際シンポジウム(中国巣湖市、5月)、日本地質学会(京都市、9月)、日本古生物学会(京都市、2月)において口頭発表した。また別記の論文として公表した。さらに米国内務省地質調査所(ワシントン市、8月)およびカリフォルニア工科大学(パサデナ市、2月)において共同研究の打ち合わせを行い、これまでの成果の整理と来年度以降の研究方針について議論した。
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Research Products
(3 results)