2006 Fiscal Year Annual Research Report
古生代末2段階大量絶滅の研究:G-L境界とP-T境界事件
Project/Area Number |
16204040
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
磯崎 行雄 東京大学, 野外地質調査・研究の総括, 教授 (90144914)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川幡 穂高 東京大学, 同位体化学分析, 教授 (20356851)
松尾 基之 東京大学, 無機化学分析, 教授 (10167645)
|
Keywords | 古生代 / ペルム紀 / G-L境界 / 大量絶滅 / 炭素同位体比 / 巨大二枚貝 / 寒冷化 / 上村事件 |
Research Abstract |
古生代末G-L境界での絶滅事件を記録した石灰岩が分布する、宮崎県高千穂町および岐阜県大垣市での地質調査を各々2回、さらに中国四川省およびクロアチア/スロベニアにおける野外調査を各々1回ずつ行なった。その際に採取した試料および、前年度までに採取した様々な岩石試料の微小領域化学分析を行なった。また、つくば市の産業技術総合研究所と協力して、同様の連続試料について炭素同位体比の詳細測定を行った。この分析用の粉末試料作成のために臨時職員を雇用した。南中国および日本から採取した連続岩石試料について炭素同位体比を測定した結果、G-L境界事件の直前に当時の海洋生物の基礎生産が増大し、その結果グローバルな寒冷化(上村事件と命名)が起きたことを世界で初めて明らかにした。さらに前年度高千穂町から発見した古生代最大の二枚貝Alatoconchidae(殻長50cm以上)を新たにクロアチアでも確認し、ペルム紀に繁栄したそれらの巨大二枚貝が、世界で同時にG-L境界直前の上村寒冷化事件で絶滅したことを解明した。これらの研究成果の一部を、欧州地球物理学連合(オーストリア、ウィーン市)、アメリカ地質学会(米国、フィラデルフィア市、10月)、アメリカ地球物理学連合(サンフランシスコ市、12月)、第2回万国古生物学会議(中国、北京市、6月)、日本惑星科学連合学会(幕張市、5月)、日本地質学会(高知市、9月)において口頭発表した。また、別記の論文として公表した。さらに米国ハーバード大学およびマサチューセッツ工科大学において講演、および共同研究の打合わせを行った(ケンブリッジ市、11月)。
|
Research Products
(7 results)