2005 Fiscal Year Annual Research Report
衝撃圧縮実験に基づく圧力スケールの確立と地球内部構造への応用
Project/Area Number |
16204043
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
真下 茂 熊本大学, 衝撃・極限環境研究センター, 助教授 (90128314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋丸 進 熊本大学, 衝撃・極限環境研究センター, 助手 (60347010)
関根 利守 物質・材料研究機構, 物質研究所, 主任研究院 (70343829)
伊藤 英司 岡山大学, 固体地球研究センター, 教授 (00033259)
大谷 栄治 東北大学, 理学部, 教授 (60136306)
松井 正典 兵庫県立大学, 理学部, 教授 (90125097)
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Keywords | 超高圧 / 衝撃圧縮 / 圧カスケール / 地球内部 / 金 / 銅 / ユゴニオ / 相転移 |
Research Abstract |
本研究は最新の測定装置を駆使して圧力校正物質のユゴニオを精密に測定にすることによって高温高圧下の標準物質の状態方程式と定点物質の転移点を見直し、圧力スケールを根本的に再検討し、ひいては地球内部構造を見直すことを目的としている。本年度は東北大金研から熊大衝撃センターに移管された二段式軽ガス銃(衝突速度4km/sまで)を実験室に設置し、これに現有のロングパルス色素レーザと流し速度が10mm/μs以上の回転鏡式流しカメラと組み合わせた傾斜鏡法によるユゴニオ計測実験システムを整備した。高温下でのユゴニオの測定を行うために小型高周波誘導加熱装置を購入し、タングステン試料で800℃までの加熱を確認した。本研究ではロスアラモスデータを全く使わずに金、銅、MgOなどのユゴニオを決定することを目的としているが、そのために、火薬衝撃銃(衝突速度2km/sまで)に組み合わせた傾斜鏡法によって、衝突板や駆動板に用いる銅とタングステンのユゴニオを60GPaまで決定した。本実験では、衝撃波の傾きをこれまでの一方向だけでなくその垂直方向も計測し、精度を上げている。ルビースケールで用いられている銅では、ロスアラモスデータに比べて衝撃波速度が若干高い結果を得た。さらに、金についてユゴニオの計測を開始した。その他、ルビースケールの代わりに期待されているGd_3Ga_5O_<12>(GGG)のユゴニオを計測し、65GPaでの相転移と共に、ダイヤモンドに次ぐ弾性限界と170GPa以上でダイヤモンド以上のインピーダンスを持つことを見出した。また、TiB_2ではセラミックスにもかかわらず塑性域でも極めて大きな剛性を持つことを見出した。 物質・材料研究機構では大型二段式軽ガス銃(衝突速度6km/sまで)を用いてルビースケールに関連するCr_2O_3のユゴニオを計測し、衝撃合成したスピネル型Si_3N_4の物性測定などを行った。岡山大学ではマルチアンビル型静的圧縮装置を用いた超音波測定システムを開発した。東北大学では超高圧力下の鉄-水反応や上部マントル含水メルトで特に成果があった。兵庫県立大学では地球深部の重要な構成相であるMgSiO_3アキモトアイトとCaSiO_3ペロフスカイトについて、MDシミュレーションを用いて状態方程式を高精度で再現した。これらの成果を基に3月20-21日に岡山大固体地球センターにおいて第1回の圧力スケール研究会を開催し、圧力スケールの現状と研究の今後の展開について議論した。
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Research Products
(6 results)