2004 Fiscal Year Annual Research Report
環境刺激(放射線や活性酸素)による直接および間接的DNA損傷生成のメカニズム
Project/Area Number |
16205003
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
相田 美砂子 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90175159)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 啓一 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50033858)
岡田 和正 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90294511)
勝本 之晶 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90351741)
|
Keywords | 赤外分光法 / 量子化学 / DNA塩基 / アミノ基 / 水素結合 / ラジカル / 低温マトリックス単離 / 光反応 |
Research Abstract |
平成17年度は、低温マトリックス赤外分光システムの高感度化および紫外線照射光学系の構築を行った。光学系を構成する反射鏡群をアルミ蒸着製から金蒸着製へと変更し、さらに検出器をTGSからMCTへ取り替えることにより、SN比50000:1の高感度を達成した。また、真空チャンバーに石英窓を取り付け、高圧重水素ランプからの紫外光を集光させる光学系を組み、低温マトリックス中にて直接ラジカルを生成させるシステムを構築した。また、実験で得られた赤外スペクトルとの比較を行うために、量子化学計算(Gaussian03を使用)によるスペクトルシミュレーションを実行する計算機を構築した。これらのシステムを用いて、以下の研究を行った。まず、振動分光法を用いたDNA塩基の研究において基礎的な化学結合に関する研究を行い、全ての原子間に適応できる統一的な力の定数と結合距離に関する経験式を求めた。次に、生体内で重要な役割を担っている水素結合を調べるため、エーテル酸素を含む化合物および水のOH伸縮振動について調べ、この振動波数値と水素結合様式との関係を実験と理論計算より明らかにした。さらに、DNA塩基対の形成において重要な役割を果たすアミノ基の光化学反応を調べるため、ρ-トルイジンのアミノ基の電磁波による損傷過程を調べ,生成した活性ラジカル種の同定と損傷過程を明らかにした。 また次年度研究計画のための予備実験として、(1)ラジカルビーム発生源を組み込んだ真空反応チャンバーの設計およびラジカルおよび反応生成物の補捉試験、(2)互変異性化反応の溶媒依存性を調べるための各種有機溶媒中におけるグアノシンの赤外スペクトル測定、を行った。
|
Research Products
(18 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Relationship between Force Constants and Bond Lengths for CX (X=C, Si, Ge, N, P, As, O, S, Se, F, Cl, and Br) Single and Multiple Bonds : Formulation of Badger's Rule for Universal Use2004
Author(s)
E.Kurita
-
Journal Title
Spectrochimica Acta, Part A 60・13
Pages: 3013-3023
-
-
-
-
-
-