2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16205010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松本 尚英 熊本大学, 理学部, 教授 (80145284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 芳弘 熊本大学, 理学部, 助教授 (70149988)
中村 政明 熊本大学, 理学部, 助教授 (00172437)
島本 知茂 熊本大学, 衝撃・極限環境研究センター, 技官
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Keywords | 外場応答性 / 多重機能 / スピンクロスオーバー / 金属錯体 / 磁性 / 光応答 |
Research Abstract |
光学特性、電気特性、磁気特性等の分子機能を光、電場、磁場、圧力、温度、pHなどの外部情報で完全に制御できる新しい物質群を創生する。(1)外部摂動に応答する双安定電子構造の設計と実現、(2)生命活動の起源にみられる分子集合化の進化モデル、を合成戦略の柱とし、「外場応答性をもつ新しい多重機能性金属錯体」である新規スピンクロスオーバー錯体、キラル磁性体、プロトン移動型ルテニウム錯体、イミダゾレート含有錯体とキノン類との電荷移動錯体を創生する。混合原子価、キラル構造をもつ全く新しいスピンクロスオーバー錯体を見出した。この錯体はイミダゾール基を含む3脚型配位子H_3Lを含み、下図の結晶構造のように、2価プロトン種[Fe^<II>H_3L]と3価脱プロトン種[Fe^<III>L]が水素結合により連結してキラル2次元層状構造を形成している。成分2価、3価錯体ともにスピンクロスオーバー挙動を示し、2次元層構造を形成すると顕著なスピンサイト間相互作用が発現し、熱履歴、凍結効果、光誘起スピン転移が観測される。また、pH変化によるプロトン解離が鉄のスピン状態、酸化状態を可逆的に制御できる分子群であり、ヘムタンパク化学の観点からも重要である。鉄の2価、3価のすべての組み合わせの化合物を合成した。加えて、プロトン移動と酸化還元挙動が観測された。また、置換基効果ならびに2次元層間に位置する陰イオンは、スピン転移に顕著な影響を及ぼす。
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Research Products
(3 results)