2005 Fiscal Year Annual Research Report
モリブデン金属酵素の微細構造と水酸化反応機構・蛋白質揺らぎの解明
Project/Area Number |
16205021
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
西野 武士 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40094312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 研 日本医科大学, 医学部, 助教授 (60267143)
松村 智裕 日本医科大学, 医学部, 助手 (20297930)
菊地 浩人 日本医科大学, 医学部, 助教授 (00224907)
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Keywords | モリブデン金属 / モリブデン水酸化機構 / キサンチン脱水素酵素 / X-線結晶構造 / 活性酸素 / モリブデン配位子 |
Research Abstract |
Mo原子の配位子のgeometryとそれぞれの結合距離に関するデータ収集:昨年度までに既にMoそれぞれの配位子の原子の同定とジオメトリーの決定のため、1)sulfo型・desulfo型の結晶構造における配位子の電子密度の比較、2)酸化型・還元型の配位子とMo原子との距離の比較、3)長波長によるX線解析データ収集による硫黄原子の同定などを行ってきたが、Mo還元型の反応中間体の電子密度からはapical ligandに酸素原子がある結果を得ている。それらの情報を基に基本的なモリブデン水酸化機構の反応機構の重要なステップの機構を明らかにした。今年度はさらにMo周辺の3つの重要なアミノ酸の変異体を作成し、その活性への寄与をヒポキサンチン、キサンチン、アルデヒド類を基質として比較検討し、ヒポキサンチン、キサンチンそれぞれとアミノ酸との水素結合生成が活性に重要であることを示した。プリン体の水酸化機構とアルデヒドの水酸化機構の同一性とともにその違いを明らかにした。一方、酵素は脱水素酵素から酸化酵素に変換するが、その変換に関与するトリガーの最終同定を行い、同時に変換しないラット酵素(活性酸素非産生型)のX-線結晶構造解析、また殆どスーパーオキシドのみを産生する変異体の二つの型のX-線結晶構造解析を完了した。これらの情報からXDHからXO型酵素への変換機構の詳細を解明し、一部論文として発表した。また情報を基に、この変換の生物学的意義を明らかにするためXDHからXOへの変換をさせる酵素を検索し、その酵素を同定し、その酵素のノックアウトマウスの作成に着手した。また一方タンパク質の揺らぎを明らかにさせるため、哺乳類酵素および細菌由来の酵素の三次構造の立体座標の熱力学的安定度の分子運動計算のコンピュター上の準備を進めた。
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Research Products
(9 results)