2006 Fiscal Year Annual Research Report
イオン性液体およびイオンゲルを用いた機能の創り込みの化学
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16205024
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
渡邉 正義 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (60158657)
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Keywords | イオン液体 / イオンゲル / Task Specific Ionic Liquid / リチウム電池 / プロトン伝導性 / 燃料電池 / 電子輸送性 / 色素増感太陽電池 |
Research Abstract |
本研究は、イオン液体およびイオンゲルの機能化に関し、以下の3点に絞り研究を展開した。 (1)イオン液体およびイオンゲル中のリチウムイオンダイナミックスの解明とリチウム電池への展開 (2)非水条件下、100℃以上の温度域で安定なプロトン伝導性イオン液体の探索と燃料電池への展開 (3)イオンと電子の両者が可動な混合伝導性イオン性液体とイオンゲルの創製と太陽電池への展開 すなわちイオン液体とイオンゲルの導電機構を明らかにすると同時に、これにリチウムイオン伝導性、プロトン伝導性、混合伝導性といった機能を作り込む化学の開拓を目的とした。 最終年度である平成18年度は、イオン液体への機能の創り込みの化学の開拓に注力した。(1)に関しては、リチウムの還元電位まで安定なイオン液体を探索し、これを溶媒に用いてリチウム塩を溶解することによりリチウムイオン伝導性イオン液体を得た。その基礎的なキャラクタリゼーションを行うとともにこれをリチウム二次電池へ応用した。その結果、イオン液体構造やリチウム塩の濃度などが電池の充放電特性に大きな影響を与えることを見出し、不燃性・不揮発性というイオン液体の特長を生かしたリチウム二次電池創製の可能性を示した。また、(2)のプロトン伝導性イオン液体に関しては、100種類近くの物質探索の結果、ジエチルメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルフォニウムが従来見出していた物質より遥かに液体温度範囲が広く(T_m=-13℃)、プロトン伝導性も高く、さらに酸素還元特性に優れることを見出した。また、(3)の電子輸送性イオン液体については、イオン液体に液晶性を導入したときの効果、ナノ粒子を添加してゲル化させたときの効果を精査した。特にナノゲル化は固体化と電荷輸送速度の増大を共立させるという極めて興味深い結果を見出した。
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Research Products
(11 results)