2004 Fiscal Year Annual Research Report
超高密度光記録システムに用いる不斉有機フォトクロミック色素の創生
Project/Area Number |
16205025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
横山 泰 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (60134897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生方 俊 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助手 (00344028)
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Keywords | フォトクロミズム / ジアリールエテン / 不斉光環化 / 旋光度変化 / 非破壊読み出し / ヘリカル構造 / 6π電子環状反応 / アリリックストレイン |
Research Abstract |
フォトクロミック化合物を用いて書き換え可能な大容量光記録材料が実現可能であることは、熱不可逆なフォトクロミック化合物が実現された1980年代から言われているが、その際にネックとなるのは記録の非破壊読み出しであることも、1990年代から指摘されている。我々はこれまで何通りかの非破壊読み出し法を提案してきたが、その一つが、吸収をもたない波長域でも値を示す旋光度を用いる方法である。そのためには、不斉なフォトクロミック化合物によって高いエナンチオ/ジアステレオ選択的な反応を起こし、しかも旋光度の変化が光反応の前後で大きくなくてはならない。これまでに、アリリック-1,3-ストレインを用いたジアリールエテンの高ジアステレオ選択的フォトクロミック反応を実現してきた。今年度は、ヘリカル構造をもつジアリールエテンをベンゾキノンとのDiels-Aldre反応によって合成する経路を開拓した。いくつかの化合物を合成して検討した結果、着色体への変換率が高い化合物にアリリックストレインを導入し、高いジアステレオ選択性を発現できる系を構築した。さらに、この化合物を高分子フィルム中に導入して光反応に伴う旋光度変化を検出することを試みた。その結果、媒体の堅さを抑えた状態では、この化合物はポリマーフィルム中フォトクロミック反応によって0.003度程度の旋光度変化を可逆的に示すことを明らかにした。 本年度は、さらに大きな旋光度変化を示すと予想される化合物の合成を進めている。
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