2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16205026
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村越 敬 北海道大学, 大学院理学研究院, 教授 (40241301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木口 学 北海道大学, 大学院理学研究院, 講師 (70313020)
並河 英紀 北海道大学, 大学院理学研究院, 助手 (30372262)
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Keywords | 量子化コンダクタンス / 単原子ワイヤ / 分子伝導 / 金属微小構造 / カーボンナノチューブ / 表面増強ラマン / 脂質二分子膜 / 分子分別 |
Research Abstract |
1.溶液内において遷移金属ナノ接合および単一分子ワイヤーの電子伝導特性を電気化学STMを用いて評価した。各種金属及び分子アンカー部位依存性に関する単一接合形成のダイナミクスを実空間で追跡した結果、超高真空・極低温と同様の量子化伝導を観測することに成功し、溶液内が新たなナノ構造形成の場となりうる事を示した。特にAu-CN,Pt-CN,Pt-Sなどの新規接合部位をもつ単分子伝導計測に成功し、Pt-Sでは従来のAu-Sより1桁高い伝導特性を示すことを明らかにした。微小1次元伝導体として単層カーボンナノチューブについても同様に電気化学電位制御下での物性評価を行った。 2.溶液内にて特定の構造を有する単層カーボンナノチューブ(SWNT)を選択分離する技術を確立することを試みた。溶液内において特定のSWNTに選択的に光触媒反応を誘起させ金属を析出させ、種々のカイラリティを有する混合状態のSWNTから特性成分のSWNTのみを回収する事に成功した。金属析出後は外部磁場により非析出SWNTからの選択分別が可能となった。また、特定のSWNTを金属微小構造体で形成されるナノギャップにトラップさせることに成功し、そこでの増強電場による単一SWNT由来のラマンシグナルの検出に成功した。 3.電子線リソグラフィーにより構築した金属微小構造障壁存在下での分子運動性の自在制御を行った。金属微小構造体規則配列基板上にて脂質二分子膜を自発展開させることで、自発展開膜内に添加した特定分子の分布状態に変化が観測され、構造障壁の形状依存性が確認された。この結果は、構造障壁の間隙部位を展開する脂質二分子膜に対する局所的な圧力印加に起因すると考えられている。倒立蛍光顕微鏡による単一分子追跡の結果、間隙部位においては、特定分子の分子拡散性が顕著に低下する現象が確認され、予想されていた膜圧縮による分子拡散性の低下を支持する結果が得られている。
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Research Products
(8 results)