2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16206003
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | NTT Basic Research Laboratories |
Principal Investigator |
山口 浩司 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 特別研究員 (60374071)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蟹沢 聖 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 主任研究員 (70393767)
齊藤 正 関西大学, 工学部, 教授 (30388417)
舘野 功太 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 研究主任 (20393796)
藤澤 利正 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 特別研究員 (20212186)
平山 祥郎 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 部長 (20393754)
|
Keywords | 半導体ヘテロ接合 / MEMS / NEMS / 量子構造 / ピエゾ抵抗 / 量子ホール効果 / ナノメカニクス |
Research Abstract |
今期はメカニカル構造に様々な量子構造を組み込んだ素子を作成し、量子効果を用いた力・変位検出素子としての特性を評価した。 まず、2次元電子系を組み込んだ素子においては、磁場を印加することによる電子のエネルギー準位(ランダウ量子化)の効果が顕著に現れ、ピエゾ抵抗による変位検出感度の著しい改善が確認された。InAs/AlGaSbのヘテロ構造を組み込んだ素子においては、シュブニコフ・ド・ハース振動に相当する磁場に対するピエゾ抵抗の周期的な変調が確認された。もっとも強くピエゾ抵抗が増強される磁場においては、ピエゾ抵抗の大きさは磁場をかけない場合に比較して一桁以上大きくなり、この磁場においては力・変位検出感度が一桁上昇する。この状況で、同じカンチレバーの先端に二次元電子系のメサ構造を組み込んだところ、カンチレバーの共振周波数も周期的に変化する現象が確認された。これはこのメサ構造中の電子がド・ファース・フォン・アルファン効果により磁気モーメントを持ち、それによって生じたトルクが検出されたことを示している。すなわち、このピエゾ抵抗検出素子により、微細2次元電子系(約10^6個程度)の磁気モーメントの変化が検出されたことを示している。 このような量子効果による変位検出感度の向上は、移動度の高いGaAs/AlGaAs系における量子ホール効果ではさらに顕著であり、局在状態から非局在状態への転移においては、磁場を印加しない場合に比較して、二桁以上の検出感度の改善が見られた。今後の応用研究が期待される。 また、超伝導・半導体接合を組み込んだ系についても検討を進めた。半導体へのクーパー対の染み出しによる超伝導電流が明瞭に確認され、しかも、バイアス電流を増加していくと、半導体中の超伝導状態が破れる臨界電流近辺で、大幅(2桁程度)なピエゾ抵抗の増加が確認された。上記の2次元ヘテロ構造の場合とは異なり、磁場が不要かつ微細化可能な検出素子として期待される。
|
Research Products
(14 results)