2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16206003
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Research Institution | NTT Basic Research Laboratories |
Principal Investigator |
山口 浩司 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 特別研究員 (60374071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蟹沢 聖 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 主任研究員 (70393767)
斉藤 正 関西大学, 工学部, 教授 (30388417)
舘野 功太 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 研究主任 (20393796)
藤澤 利正 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 特別研究員 (20212186)
平山 祥郎 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 部長 (20393754)
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Keywords | 半導体ヘテロ接合 / MEMS / NEMS / 量子構造 / ピエゾ抵抗 |
Research Abstract |
今期はメカニカル構造の作製と評価に関して、2つの大きな進展をみた。ひとつは素子の小型化であり、従来の数十ミクロン程度のMEMS形状の素子サイズから、幅約1.5ミクロン、長さ数ミクロン、厚さ300ミクロンという小さな梁構造の中に、幅0.5ミクロンの擬一次元電子チャネルを埋め込むことに成功した。約10MHzの高周波機械振動特性を、擬一次元電子チャネルにおける電子干渉の効果により検出することに成功した。この素子の特徴は、電子干渉を用いることによる著しい低消費電力性であり、わずか5nAという極めて小さなバイアス電流においても、オングストロームレベルの変位検出が可能であることが明らかとなった。 もう一つの進展は、極めて鋭い共振を用いることにより電子系の摩擦を検出することに成功した点である。分子線エピタキシを用いて作製した高純度単結晶においては、その純度の高さによりカンチレバー構造の共振のQ値が、低温で百万に達する。この領域では、カンチレバー自体が持つ内部摩擦が著しく小さくなる結果、カンチレバーに組み込んだ二次元電子系による内部摩擦が検出できるようになる。この影響は量子ホール状態において顕著になり、電子が局在状態から非局在状態に変化するに伴いカンチレバーの機械振動に対する内部摩擦が増大することが確認された。これは、本研究課題において目標としていた低次元構造における電子の振る舞いをカンチレバー検出系により調べるという手法が、極めて強力であるということを示している。 その他、量子ドット系、電子相間、ナノワイヤーなどの関連研究において、カンチレバー構造への応用へ向けた予備実験が着実に進展している。
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Research Products
(13 results)