2005 Fiscal Year Annual Research Report
長尺・高密度カーボンナノチューブ作製技術の開拓とナノデバイス応用
Project/Area Number |
16206004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾浦 憲治郎 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 特任教授 (60029288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 光浩 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70185817)
本多 信一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90324821)
大門 秀朗 九州工業大学, 工学研究科, 助教授 (20324816)
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Keywords | ナノチューブ・フラーレン / 電子・電気材料 / マイクロ・ナノデバイス / 電気化学デバイス / センサー |
Research Abstract |
本研究では、昨年度開発した熱化学気相成長(CVD)法による長尺・高密度カーボンナノチューブ(CNT)作製技術の電子エミッターへの応用を試みた。高密度CNT束ピラーを作製し、ピラーからの電子放出の安定性を評価した。電子放出電流の経時変化や、酸素導入が電子放出に及ぼす影響を調べることにより、電子放出の安定性の評価を行った。 直径50μm、高さ70μmの高密度CNT束ピラー5本を電界遮蔽効果が無視できる十分な間隔で作製した。超高真空中(10^<-10>Torr)、DC印加電界下(1.6V/μm)で測定した、ピラー1本あたりの放出電流の経時変化で放出電流は約3μAで約200時間経過した後も、安定しており減少していないことがわかった。この安定性は1本のCNTではなくCNTが高密度に束状になっているため、高電流でもCNTの温度が上昇せず昇華しないためであると考えられる。 従来、CNTで作製した電界電子放出源の経時特性測定中に酸素を長時間導入するとCNTが燃焼してしまい特性の劣化が不可逆であるといわれている。そこで、高密度CNT束ピラーの安定性を調べるために、経時特性測定中に酸素を導入したところ、酸素導入後に放出電流は減少しているが、酸素導入終了後にヒートクリーニングを行なうことで放出電流が回復していることがわかった。酸素導入後の放出電流の減少は、酸素がCNTに吸着することで仕事関数が増加したために起こったものと考えられる。
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Research Products
(3 results)