2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16206008
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
馬場 俊彦 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (50202271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横内 則之 古河電気工業株式会社, 研究開発本部横浜研究所, マネージャー (30374036)
喜瀬 智文 古河電気工業株式会社, 研究開発本部横浜研究所, 研究員
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Keywords | フォトニックナノ構造 / フォトニック結晶 / 光集積 / レーザ / 光増幅器 / 光導波路 / エピタキシャル成長 |
Research Abstract |
最初の2年間の研究では深い円孔の配列から成るフォトニック結晶導波路を作製し,理論と一致する光伝搬を観測してきた.またGaInAsPアクティブ層とパッシブ層を融合させたフォトニック結晶技術を世界で初めて開発した.これらの成果を元に,平成18年度は以下の研究を行った.まず高加速電子線描画装置を導入し,円孔揺らぎを±3nmに抑えた.そこでフォトニック結晶光増幅器を作製して光励起を行ったが,正味の利得は得られなかった.円孔にわずかな傾斜があると損失が大幅に増大することが計算され,次年度,円孔形成条件を詰める必要があるとわかった.次に,ファブリーペロー共振より群速度を見積もったところ,本導波路でもフォトニックバンド端で低群速度が発生することが確認された.また,電流注入デバイスの作製を目指して,プロセスの最適化を行った.具体的には化学気相堆積法を用いてフォトニック結晶の孔を埋めきることなく表面のみに均一なSiN絶縁膜を形成する技術を開発し,窓構造により電極のオーミック接触を実現し,初期的な発光を確認した.次年度,電流注入による光増幅動作を目指す.本年度はさらにアクティブ/パッシブ接合したウエハに対して,世界で初めてフォトニック結晶スラブの作製に成功した.接合部の上下のずれは5nm以下であり,接合のための再成長プロセスに伴う突起も10nmと小さいため,光学特性にはほとんど影響がない.アクティブ部に導波路や微小共振器を形成して光励起し,パッシブ部の導波路からレーザ光を取り出したところ,外部微分量子効率8%(フォトニック結晶レーザでは世界最大)を観測した.また微小共振器の高次モードを利用して共鳴励起を行った場合にもレーザ動作が得られた.これは,励起光をレーザ光に変換する超微小波長変換器の可能性を示唆するものである.
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Research Products
(6 results)