2004 Fiscal Year Annual Research Report
コヒーレントEUV光(高次高調波)によるEUV光学系の表面形状計測
Project/Area Number |
16206010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
緑川 克美 独立行政法人理化学研究所, 緑川レーザー物理工学研究室, 主任研究員 (40166070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 豊 独立行政法人理化学研究所, 緑川レーザー物理工学研究室, 研究員 (50311353)
鍋川 康夫 独立行政法人理化学研究所, 緑川レーザー物理工学研究室, 先任研究員 (90344051)
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Keywords | EUV / コヒーレントX線 / 高次高調波 / 超短パルスレーザー / EUVリソグラフィ / フェムト秒レーザー / 軟X線光学 / 干渉計測 |
Research Abstract |
本研究は超短パルスTi:sapphireレーザー(ポンプパルス)により発生させた13-nm高次高調波(コンパクトなコヒーレント軟X線光源)によるEUV光学系(主にMo/Si多層膜鏡)の形状精度の測定を目的としており、本年度はその準備として主に、高スループットビームスプリッタの開発および13-nm高次高調波の空間コヒーレンスの単一パルス計測について研究を行った。 高次高調波は高強度のポンプパルスの光軸に沿って伝搬するため、そのままではEUV光学系にダメージを与える。そのため、各種計測には高次高調波に対するスループットが高く、ポンプパルスに対して反射率が低いビームスプリッタの開発が必須である。そこで、高精度研磨を施したSi基板上にNbNを10nm膜付けしたビームスプリッタを作製し,これに対してポンプパルスをブリュースター角(12度)で入射させることで、13-nmに対する反射率70%,ポンプパルスに対する反射率1%を得た。また、このビームスプリッタのポンプパルスに対するダメージしきい値が1TWであることを確認した。このビームスプリッタを反射した後のポンプパルスの強度はEUV光学系の損傷しきい値より十分低いため、高調波のエネルギーの大部分を各種応用に用いることが可能となった。また、EUV光学系の形状を簡便かつ高精度に測定するには単一パルスの高コヒーレントEUV光による計測が必要である。そこで13-nm高次高調波の空間コヒーレンスの単一パルス計測を行った。この実験ではビームスプリッタを含む5枚の反射光学系とダブルスリットを用いて干渉縞を計測した。その結果、高次高調波のビームサイズ(半値全幅)と同じ距離にある2つのスリットを透過した光の干渉縞のコントラストとして0.92という高い値を得た。これにより13-nmでの高次高調波のコヒーレンスの単一パルス計測に初めて成功したことを示した。
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Research Products
(1 results)