2005 Fiscal Year Annual Research Report
コヒーレントEUV光(高次高調波)によるEUV光学系の表面形状計測
Project/Area Number |
16206010
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Research Institution | RIKEN |
Principal Investigator |
緑川 克美 独立行政法人理化学研究所, 緑川レーザー物理工学研究室, 主任研究員 (40166070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 豊 独立行政法人理化学研究所, 緑川レーザー物理工学研究室, 先任研究員 (50311353)
鍋川 康夫 独立行政法人理化学研究所, 緑川レーザー物理工学研究室, 先任研究員 (90344051)
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Keywords | 高次高調波 / コヒーレントX線 / 単一パルス計測 / EUVリソグラフィ / 13-nm光 / NbNビームセパレーター / 干渉計測 / フェムト秒レーザー |
Research Abstract |
13-nm高次高調波は発生システムがコンパクトでありながら1パルスあたりの光子数が約3×10^9個と多いためEUV光学系の表面形状の干渉計測を初めとした各種応用での利用が期待されている。この光による単一パルス測定を可能にすることは測定機器の振動などの悪影響を最低限に抑える効果があり測定系全体の小型化に有効である。この様な干渉計測には高い空間コヒーレンスをもつ光が必要である。そこで本年度は13-nm高次高調波の空間コヒーレンスをヤングのダブルスリット干渉法で単一パルス計測するためのシステムを開発し、優れた空間コヒーレンスをもつ光であることを示した。 高次高調波は高強度の励起光と同軸に発生するため、13-nm用のMo/Si多層膜鏡やEUVフィルターを直接使用することはできない。そこで昨年度開発した高スループットのNbNビームセパレータを用いて励起光を100分の1に低減し実験をおこなった。また、高調波を直接スリットに入射させる方法では必要な計測精度を得るためのスペースが20m以上となるため反射型の凹面鏡など3枚の多層膜鏡を使用して計測システムを小型化し、同時に波長選択をおこなった。さらに、励起光を完全に除去するためにZrフィルターを使用した。これらの光学系を使用すると高調波のスループットが低下し、干渉画像のS/N比が低下する。また、光学系の形状精度は波長と同程度であるため波面歪みによるコヒーレンスの低下の原因ともなる。これらの光学系およびCCDによる撮像の条件を最適化した結果、単一パルス計測において高いS/N比で干渉像全域に渡り計算値とよく一致した干渉縞を得ることに成功した。このとき計測された13-nm高次高調波のビジビリティは光学系で5回反射させたにも関わらず0.96と非常に高く、そのコヒーレンス長がビーム半径の約2倍であり、干渉計測など各種応用に有用な光であることを示した。
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Research Products
(2 results)