2006 Fiscal Year Annual Research Report
MFMと電子線ホログラフィーによる磁化分布の3次元精密解析
Project/Area Number |
16206011
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
進藤 大輔 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (20154396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 恭和 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (30281992)
赤瀬 善太郎 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (90372317)
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Keywords | 電子線ホログラフィー / 磁束 / 磁化 / 磁気力顕微鏡法 / 磁気記録 |
Research Abstract |
平成18年度の研究成果を以下に要約する。 1.探針の磁束分布の精密評価 永久磁石製の微小探針(磁性針)や、汎用のMFMチップなど、TEM内での局所磁場印加に利用できる各種針状試料の磁束分布を高精度に解析した。具体的には、ホログラム撮影条件の改善、位相再生像に関するコンピュータシミュレーションの駆使等により、針状試料先端での磁束分布や磁束密度を詳しく評価できる技術を確立した。また、本年度は、TEM内での針状試料の位置制御についても、一層の技術的向上を果たすことができた。その結果、二本の磁性心を徐々に近づけて行った場合の磁束分布変化の様子を、ホログラフィーで事細かに観察できるようになり、磁気デバイスへの応用展開に向けた技術基盤を整備できたと考えている。 2.磁気記録材料の磁化分布解析への応用 上述したMFMチップ/磁性針に対する磁束観察技術と、TEM内での精緻な探針操作技術を用いて、新型ハードディスクに用いられる軟磁性下地層の磁束分布を評価した。具体的には、集束イオンビーム(FIB)法により薄膜化したハードディスクに、TEM内でMFMチップを徐々に近づけて行き、その際の磁束分布変化を詳細に観察した。MFMチップの接近に伴い、軟磁性下地層近傍での磁束密度が増大する様子が観察され、下地層の存在が磁気記録に重要な役割を果たすことを直接観察によって示した。 3.3次元磁化分布解析法の確立 本研究により、電子線ホログラフィーを用いた面内磁束成分の精密解析と、TEM内での磁性針操作による磁化過程の動的観察技術は目的通り達成できた。一方、TEMで観察した試料をMFMにより観察することで、膜面と垂直方向の漏洩磁場を探索し得ることもわかった。一連の実験を総括して、ホログラフィーとMFMの相補的な利用により、磁化分布の3次元的な解析を充分に実施できるものと考えている。
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Research Products
(6 results)