2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノポジショニングによるナノ・メガシステムの強度物性ゆらぎマップ測定システム
Project/Area Number |
16206013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三浦 英生 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90361112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高 偉 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70270816)
小川 和洋 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50312616)
笹川 和彦 弘前大学, 理工学部, 助教授 (50250676)
岩崎 富生 (株)日立製作所, 機械研究科, 主任研究員(研究職)
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Keywords | 薄膜 / 強度物性 / ナノインデンテーション / ナノポジショニング / 半導体 / 信頼性 |
Research Abstract |
本研究は,ナノテクノロジーを基盤技術として開発するナノ・メガシステムを対象とし,これらの信頼性を支配するナノメートルオーダーの材料強度物性のゆらぎ分布を測定する技術を開発することを目的としている.数nmから数十cmの実構造物の表面において,ナノグリッドを用いたサーフェスエンコーダーシステムを応用してナノメートルオーダーの分解能で測定対象領域を特定し,特定した位置における材料表面の強度物性をナノインデンテーション技術を用いて測定する技術を開発する.初年度の主要研究実績は以下の通りである. 1.ナノポジショニング技術による強度物性ゆらぎマップ測定技術の開発 ナノ加工技術を活用し,石英基板上に正弦波を二次元に展開した形状を持つ二次元ナノグリッドとオートコリメーション法を原理とする角度センサの組み合わせにより,位置をサブ100nm以下の精度で検出できるナノポジショニング技術を開発し,空気ベアリングを応用した試料駆動ステージを試作した.また,ナノインデンテーション技術を導入し,サブ100nmの厚さを有する各種薄膜の強度物性評価を試み,薄膜の形成方法に依存して,厚さ方向に急峻な物性分布が形成されることを実証し,従来のバルク材料とは強度物性が著しく異なる場合があることを解明した. 2.ナノ領域材料強度物性解析技術の開発 原子結合状態に加え電子分布状態の解析も可能な量子分子動力学解析手法を応用し,半導体デバイスで使用されるナノメートルオーダー厚さの絶縁材料のバンドギャップ特性に及ぼす結晶ひずみや原子欠陥の影響を定量的に解明する解析技術を開発した.本解析技術に基づき,材料中に引張ひずみが作用することで最大30%程度バンドギャップが減少すること,原子欠陥(酸素空孔)の発生に伴い不安定分子の遊離が発生し,この遊離分子とマトリクス構造との干渉によりバンドギャップが著しく減少することなどを解明した.
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Research Products
(6 results)