2004 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブを中枢材料としたナノトライボロジーの研究
Project/Area Number |
16206019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大前 伸夫 神戸大学, 工学部, 教授 (60029345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保田 英洋 神戸大学, 工学部, 教授 (60210259)
田川 雅人 神戸大学, 工学部, 助教授 (10216806)
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Keywords | カーボンナノチューブ / ナノトライボロジー / フラーレン / オニオンライクカーボン / ダイヤモンド / マイクロトライボロジー |
Research Abstract |
カーボンナノチューブ側面のグラフェンシートはグラファイトと同様の表面構造を有しており、良好な潤滑特性を示すと考えられることから、トライボロジーへの応用が注目されている。本研究ではカーボンナノチューブを垂直配向させた薄膜のトライポロジー特性について、まず耐荷重特性を明らかにした。mN荷重下ではカーボンナノチューブは摺動方向に完全に押倒され回復せず、直径が増大した繊維状物質や膜状物質に変化した。しかしながら摩擦係数は低く0.2程度であった。μN荷重下でのマイクロトライボロジー特性はアモントン-クーロンの摩擦特性をほぼ満たしているが、摩擦係数が1を超える高い値であることを見出した。AFMによる摩擦過程を直接SEM内で観察した結果、これだけ高い摩擦係数でありながら、1000回近くの繰返し摩擦に対して、摩耗がゼロであった。このように、カーボンナノチューブは荷重によってトライボロジー特性が大きく異なる。さらに、nN荷重下でのナノトライボロジー特性を研究するためにUHV-AFM/STMを運転中であり、現在Si(7×7)構造やカーポンナノチューブの微細構造を同定して、トライポロジー特性の解析を行っている。 またSi基板上に分子線エピタキシー法を用いて成長させたC_<60>薄膜に関して、C_<60>-基板間の相互作用の大きさの墓いがC_<60>薄膜のナノトライボロジー特性に与える影響を解析し、C_<60>と基板との相互作用が小さいとC_<60>が移動するため、エネルギー散逸で摩擦係数が大きくなることを見出した。また300kVの電子線照射で作製したオニオンライクカーボンは0.2程度の摩擦係数を有することが判った。これらの組合せで最適なトライボロジーペアを得ることを考察している。
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Research Products
(6 results)