2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ・ミクロスケール多重構造を有する機能性界面による熱流動制御
Project/Area Number |
16206022
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
功刀 資彰 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40301832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 全作 京都大学, 工学研究科, 講師 (10201451)
芝原 正彦 大阪大学, 工学研究科, 助教授 (40294045)
佐竹 信一 東京理科大学, 基礎工学部, 講師 (90286667)
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Keywords | ナノ粒子 / 多重スケール / 多孔質層 / 伝熱促進 / 強制対流 / 界面構造 / 分子動力学 / 壁面境界条件 |
Research Abstract |
17年度は、昨年度末の実験でナノ多孔質層が熱抵抗を示した伝熱面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、多孔質構造の劣化がその原因と判断されたため、ナノ多孔質伝熱面の作成方法を再検討し、伝熱促進するナノ多孔質面の形成条件を見出すとともに、ナノ多孔質伝熱面の壁温が平滑金属壁に較べて低下する伝熱促進効果を確認した。また、250μmK型熱電対を0.5μmずつステップ移動しながら流体温度を計測し、平滑金属板壁の場合の流体内温度に較べてナノ多孔質面の場合は流体内温度が低下することが示された。平滑金属面の場合の流体内温度分布は層流熱流動解析結果と一致したことから、この原因について以下の2つの観点から検討を進めている:1)ナノ多孔質伝熱面の場合、上下壁で壁面性状がわずかに異なるため壁面せん断応力に差異を生じ、結果としてナノ壁面近傍の速度が大きくなってエンタルピー輸送が大きくなる可能性、2)壁面近傍の温度計測により極めて低周波の温度揺らぎがあることが判りつつあり、壁面近傍での流体の有効熱拡散率が大きくなって流体温度が低下する可能性。 大阪大学では、ナノ粒子多孔質層の伝熱促進に関する理論的解明のため、平成16年度に整備した分子動力学シミュレーション・ソフトウェアを用いて、界面ナノ構造と液体・界面間の熱伝達解析を実施し、(1)界面ナノ構造物間隔に依存した流体分子の数%程度の自己拡散係数が変化すること、(2)界面ナノ構造物に依存した有効表面積が変化することを見出し、ミクロレベルでのエネルギー輸送機構に関する知見が深められた。 東京理科大においては、平成16年度に整備したマクロ・シミュレーションのための乱流シミュレーションコードをベースに、ナノ多孔質壁面条件を見出す目的で、最適制御理論とImmersed Boundary法の伝熱界面への適用可能性について検討した。
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Research Products
(4 results)