2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16206028
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
三戸 利行 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (10166069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
力石 浩孝 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (60249969)
柳 長門 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (70230258)
田村 仁 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (20236756)
前川 龍司 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (80280600)
岩本 晃史 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (00260050)
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Keywords | 超伝導 / 伝導冷却 / 低温 / パルスコイル / 瞬低 / SMES / 瞬停 / 交流損失 |
Research Abstract |
本研究では、低コストかつ高信頼性の金属系低温超伝導導体を用い、冷却構造材料として有機高分子繊維強化複合材の新材料を用いることにより、交流損失の低減と冷却構造の最適化を図り、パルス運転が可能な伝導冷却型超伝導コイルを開発する。伝導冷却型コイルは、冷凍機による直接冷却により、液体ヘリウムや液体窒素などの寒冷を取り扱う煩わしさと危険性を除去し、操作性や安全性の観点から従来は適用が困難であった様々な分野への超伝導コイルの応用を広げるものである。使い易く高効率な伝導冷却型金属系超伝導パルスコイルの応用範囲は非常に広く、工場等の電力系統を安定化する瞬停・瞬低対策用SMESへの応用、磁場を利用した半導体製造などの製造装置への応用、MRIや超伝導サイクロトロン等の医療応用、磁気浮上列車や物流搬送システム等への応用など、様々な分野への適用が可能となる。本研究では、その応用の一例として、瞬時停電(瞬停)及び瞬時電圧低下(瞬低)時の電力を補償する瞬停対策SMESへの適用を想定し、実際のパルス動作条件下での伝導冷却型超伝導パルスコイルの特性を実験的に評価すると共に、その有効性を実証する。本研究の成果により、コイル内の詳細な熱設計に基づく新しい概念の超伝導コイルの設計指針を確立することができる。 平成17年度は、平成16年度の短尺導体試験結果及びダミーコイルによる熱特性測定結果に基づき、コイル内での交流損失及びそれによる温度上昇の正確な定量的評価とそれに基づくコイル設計が可能であることをシミュレーションにより示した。更に、その結果を反映した伝導冷却型超伝導パルスコイルの詳細設計を行い、プロトタイプコイルを試作した。巻線には核融合科学研究所で開発した導体に捻りを加えながらコンピュータ制御により自動巻線が可能な巻線機を使用し、将来の量産化にも対応可能な半自動での巻線作業を行った。金属系超伝導パルスコイルの場合、温度余裕が小さいことから繰り返しパルス運転では負荷率を上げることができないが、瞬低補償動作などの1パルス運転では、コイルの比熱を利用した高負荷運転が可能となる。本研究開発では、伝導冷却型パルスコイルの応用の一例として、商用電力系統の1秒以下の瞬時電圧低下及び瞬時停電時の電力負荷を補償する瞬低対策用の電力貯蔵装置(SMES)として用いる場合を想定して、コイル温度分布、熱輸送特性の計算機シミュレーションを行った。更に、平成18年度の実証実験に向けてパルスコイルの巻線・組み立て、HTS電流リードの開発、小型冷凍機と超伝導コイルの間を結んで高効率の熱輸送を行う要素技術開発及び小型冷凍機を用いた伝導冷却要素実験を実施した。
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Research Products
(2 results)