2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16206031
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
綱島 滋 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80023323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 聡 名古屋大学, エコトピア科学研究機構, 教授 (60151742)
井上 順一郎 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (60115532)
加藤 剛志 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50303665)
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Keywords | 微細加工 / 電子ビーム露光 / 熱磁気記録 / スピン注入 / アモルファス合金 / エッチング法 / ジュール熱 / 臨界電流密度 |
Research Abstract |
本年度は熱アシストスピン注入磁化反転素子の加熱磁化反転層として検討しているTbFeアモルファス合金膜を微細加工し,パルス電流熱磁気記録を行なうとともに,CoFeB系材料面内磁化を用いたトンネル磁気抵抗素子およびスピン注入素子の試作を行なった. (1)電子ビーム露光とECRプラズマによるArイオンエッチングによりTbFeアモルファス合金膜を微細加工し,パルス電流による熱磁気記録を行なった.加工サイズは2μmx2μmから500nmx500nmであり,熱磁気記録後の記録磁区を磁気力顕微鏡MFMにより観察した.パルス電流書込みは500Oeから100Oeの磁場中で1μsecから100nsecのパルス電流により行なった.これにより10^6A/cm^2程度以下の低電流密度で磁化反転可能であることを確認した.さらに微細化により臨界電流密度が小さくなってくるという応用上有効な実験結果を得た. (2)まず,スピン注入素子作成に多種の金属材料成膜を予定しているため8種類の原料のスパッタリングが可能な8元マグネトロンスパッタ装置を作製した.これを用い,Ta(5nm)/MnIr(20nm)/CoFe(2nm)/CoFeB(2nm)/Al-O(1.6nm)/CoFeB(10nm)/Ta(5nm)という構成のトンネル接合を試作した.作成にはメタルマスクを用い接合サイズは100μmx100μmである.AFMによる表面観察から,成膜条件を調整することで表面ラフネス0.3nm以下で層間結合を示すループシフトが1Oe程度の非常に平坦な薄膜が作製できることが分かった。Al-O層はAl層成膜後,酸素RFプラズマにより酸化し,投入電力,酸化時間を変化させ,トンネル磁気抵抗測定を測定することで最適化し,1eV程度のトンネル障壁と23%程度のMR比が再現良く得られることを確認した. (3)Ta(5nm)/Cu(5nm)/CoFeB(1.5nm)/Cu(6nm)/CoFeB(10nm)/Ta(5nm)を作製し,電子ビーム露光,ECRプラズマによるArイオンエッチングによりスピン注入用微細加工素子を作製した.微細加工はエッチング後,層間絶縁膜を成膜し,レジストを剥離することにより作製した.レジスト剥離後,100nmx200nmの素子が作製できていることを確認した.この素子に上部電極を成膜し,磁気抵抗曲線を測定し,MR値0.5%程度と垂直方向に電流を流した場合のMR効果として十分な値を得た.
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