2004 Fiscal Year Annual Research Report
適応量子化相関多重サンプリングに基づくフォトンカウンティング超高感度撮像
Project/Area Number |
16206035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
川人 祥二 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (40204763)
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Keywords | フォトンカウンティング / 超高感度撮像 / イメージセンサ / 広ダイナミックレンジ / 相関多重サンプリング |
Research Abstract |
本研究は、光電子増倍を用いることなく、シリコンデバイスだけでフォトンカウンティングレベルの超高感度撮像を可能にする新発想のイメージング技術の実現を目指すものである。我々は、CMOS撮像デバイスのカラムにおいて、そのノイズ解析を行った結果、高利得、2段構成のノイズキャンセル回路により極めて低雑音の読み出しが可能であることを見いだし、その考えをA/D変換処理にまで拡張して、適応量子化相関多重サンプリング技術と呼ぶ低雑音信号読み出し方式によって、十分なダイナミックレンジ特性を得ながら、極めて低雑音の読み出しが可能であることを明らかにした。今年度は、まずこの極手雑音信号読みだしの性能実証を目的として、0.25um CMOSイメージセンサ技術に基づき、電荷検出部の容量を可能な限り低減して高い変換利得を実現しながら、提案する低雑音読み出し回路を介して信号検出を行うデバイスを試作した。その測定の結果、理論解析で予測された通り、2段構成の高利得ノイズキャンセルにより、35uVrmsという極めて低雑音の読み出しが可能であることを実証することができた。1段構成の同利得のノイズキャンセル方式に比較して、約1/6にノイズ振幅が低減されている。また、高変換利得の画素デバイスと組み合わせた特性として、入力換算ノイズ電子数で約0.63電子という値を得た。これは、CMOS撮像デバイスにおいて、世界で初めて1電子以下のノイズ電子数が得られることを示した結果である。また、A/D変換処理を含めた適応量子化相関多重サンプリングにより極低雑音の読み出しを行う具体的な構成として、2重積分型A/D変換方式とこれを用いた固体撮像素子の構成について特許出願を行った。
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Research Products
(7 results)