2006 Fiscal Year Annual Research Report
自律分散ワイヤレス・アドホック・ネットワークの研究
Project/Area Number |
16206040
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 進 京都大学, 情報学研究科, 教授 (50026324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川合 誠 立命館大学, 理工学部, 教授 (20314255)
山本 高至 京都大学, 情報学研究科, 助手 (30423015)
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Keywords | アドホックネットワーク / マルチポップ / 自律分散制御 / 無線通信 / 移動通信 / 周波数利用効率 / 協調通信 / Trnade型符号 |
Research Abstract |
1.アドホックネットワークの要素の一つであるマルチホップ伝送について,さらなる周波数の有効利用と通信の信頼性向上を目的として,発呼局に加えて中継局が協調的に送信を行う協調通信が注目されている.この協調通信を行う場合,中継局の送信に起因して他局への与干渉が増大する可能性がある.このため,干渉制限下における単純な協調通信の周波数利用効率特性を評価した.その結果,干渉が増大したとしても,受信品質の劣化に伴い直接通信,単純な協調通信,マルチホップ通信と適応的に切り替えることで高い周波数利用効率が得られることを明らかにした. 2.アドホックネットワークでは無線局による分散制御を基本とする.ただ,電力制御については複数の無線局が分散的に行うと双方が電力を上げ続け電力効率が低下する可能性がある.そこでこのような分散電力制御が収束する条件を理論的に明らかにし,最終的に高いスループットの得られるアクセス制御方式を提案した。 3.アドホックネットワークで広く用いられるアクセス方式であるCSMA/CAの効率向上のために,物理層レベルではチャネル結合技術,データリンク層レベルではマルチチャネル技術という複数の技術が検討されている.両者を詳細に比較検討した結果,負荷が低い場合は単一パケットを高速に送ることのできるチャネル結合技術,逆に高い場合には衝突低減効果の高いマルチチャネル技術が優位であることを明らかにした. 4.アドホックネットワークにおけるトランスポートプロトコルとしてはTCPが考えられるが,有線と異なり物理的にリンクが不安定のため効率の劣化が懸念される.そこでTornado型符号を用いたFEC型品質制御の適用を考え,一部にビット誤りがあるパケットを復号に用いることでビット誤りに対しても効果のある復号法を提案し,その有効性を明らかにした.
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Research Products
(6 results)